年代不詳

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医学の発見に就て

最近中村医博が死人の眼球を利用し角膜移植によって、盲眼を治癒し成功したという報告があり、それをよく聞かれるから茲に解答するのである。白内障等にて水晶体が曇った場合、恰度艶消硝子のようなものであるから、透明硝子を入れ替えれば一時見えるのが当然...
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病気と苦痛

人間一度病気に罹るとする。病気に罹ったと言ふ意識は苦痛である。言はば病気即苦痛である。然し苦痛にも色々の種類がある。これまでの医学は病気と苦痛を同じものにみてゐた。それが為苦痛を緩和すればそれだけ病気も緩和すると思ってゐた。此考え方が根本的...
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科学は迷信か

私は常に科学迷信を戒めてゐるが、恐らく今日の世の中で、そんな事をいふ人は一人もないであろう。事程それ自体がそれを物語ってゐる。成程科学は結構であり、有り難いものであるのは分りきっているが、其反面又飛んでもない罪を犯している事も見逃せないので...
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頑張り

世間よく頑張りという言葉を聞くが、之は近頃出来た言葉らしいが、此言葉の意味を考えてみると、どうも人間の力に頼りすぎる感じがする。それは事実をみても分る通り、成程一時は効果があるやうだが、結局に於て反対の結果が多いやうである。特に信仰者はそう...
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科学迷信を打破せよ

今日の社会全般を見ると、何でも彼んでも科学の二字を附けないと、誰も信用しないらしい。といふやうに、よくも之程科学は人間の心を占領したものだ。全く科学の奴隷である。処が驚くべき事は、今日学者が宗教を批判してゐる事である。言う迄もなく今日宗教を...
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医学の進歩と寿命

近頃医学の進歩によって、人間の寿命が延びたといってゐるが、成程数字から見たらば確かにそれに違ひないが、それは表面に現はれた現象であって、只漫然とそれを謳歌する事は間違ってゐる。何となれば確かに寿命は延びたが、病人の数は少しも減ってゐないのは...
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親切な悪魔

よく病気が思ふやうに治らないので、進退谷った際、本教の話を聞き、是非縋らうと決心した時、例外のない程周囲の誰彼が止めるので、決まりもののやうである。彼等が口に言う事は、之程進歩した医療で治らない筈はないのに、そんな近頃流行の新宗教にやって貰...
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薬とは何ぞや

昔から人間は病は薬で治るものと固く信じてゐるが、恐らく之程道理に外れた話はあるまい。といふのは病といふものは、昔は草根木皮といって野山に自然に生えてゐる植物であって、無数にあるその中から特殊のものを選び出して、治そうとしたのである。処がそれ...
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一種の自殺未遂者

此題は少し酷すぎるかも知れないが、斯う言はざるを得ないのである。といふのは病気は医薬で治るものと信じ、信頼し安心して委せるのであるが、いつもいふ如く薬といふ薬は全部毒であるから、之を体内へ入れるだけ弱るに決ってゐる。医師にかかりつつ段々悪化...
年代不詳

有限力と無限力

単に力といっても、有限力と無限力の区別のある事を知らなければならないのである。処が今日の人間は力とさえいえば、有限力と思ってゐる。尤も唯物文化社会としたら、それも無理はないが、此考え方の為人間は本当の事を知らないで、有限力のみを信じ行動する...