著述一覧(未発表)

医学試稿

肺結核

近来、肺結核は年々増加の傾向を辿り、国民病といってもいい位蔓延しつつあるのである。之は如何いふ訳かといふと、前述の感冒が浄化作用の停止を繰返しつつあるうち、終に解熱法にても解熱せず、此熱によって疲労感、食欲不振、羸痩、咳嗽、盗汗、喀痰等の症...
医学試稿

病気の実例

先づ凡ゆる疾患中、最も多きは感冒であらふ。然し、今日迄医学上感冒の原因は、今以て不明とされてゐる。然し、私の発見によれば、此病原位はっきりしてゐるものはないと思ふのである。抑々、人体の浄化作用は、二六時中一秒時と雖も浄化作用が行はれつつある...
医学試稿

病気の真因

病気といふものを一言にしていへば、『生の為の浄化作用なり』である。元来、人間が健康を保持し、生命を営みゐる条件としては、或程度全身が清浄でなければならないのである。何となれば、血液を初め、新陳代謝の完全に行はれるには、汚濁があってはならない...
医学試稿

病気とは何ぞや

古来、病気なるものは、その原因として、仏説には四大調和の破綻とか仏罰、漢方医学に於ては五臓六腑の不均衡、西洋医学に於ては、ウィルヒョウの細胞衰滅説、コッホの黴菌による伝染説等、幾多の理論学説等あるが、何れもが病気なるものを災厄とし、悪い意味...
医学試稿

国民体位低下

確実なる統計によると、明治三十年代の壮丁入営後の胸疾患患者は、百人につき弐人であったものが、昭和拾参年には、百人に付き三十弐人になったといふ事である。十六倍といふ驚くべき数字である。又、最近、小学児童の結核菌保有者は○人につき○○人、要治療...
医学試稿

文明人の滅亡

○年○月○日発行の内閣週報、左の如き統計が出てゐる。(新聞記事不明)右の如く、文明国の人口は近年に至り、驚くべき衰退の方向に嚮ひつつあって、英国の如きは、西暦千八百年頃は一ケ年百弐十万の増加を見たのが、今日では弐十万に低下し、年々減少しつつ...
医学試稿

第二篇 病気 病気とは何ぞや

此事は、数千年来、人類が此悩みを解決せんとして如何に努力したであらふ事は、余りにも明白な事である。そうして我国に於ても千余年前、漢方医術が渡来し、次いで明治少し以前、西洋医学が渡来し、今日に至ってゐる事も周知の事実である。そうして、政府も国...
医学試稿

霊主物従

凡ゆる一切の物に霊があるが、然らば、霊と物質とに就ての関係を瞭かにしよふ。それは、眼に見えない無にも斉しい霊が主であって、物質は従といふ事である。従而、霊が物質を支配してゐるのであるから、人類社会に於ける如何なる事でも霊の作用であって、霊界...
医学試稿

現界と霊界

人間の死とは、肉体から霊が脱出分離するといふ事は、前項の通りであるが、然らば、脱出の霊魂は何処へゆくかといふと、それは霊界なる別の世界の住人になるのである。であるから、仏語でいふ往生とは、“生れ往く”とかくのである。それは、現界からみるから...
医学試稿

死とは何ぞや

人生に関する事柄の中、死程切実な問題は無い。といふ事は誰も知り抜いてゐるのであるが、さらばといふて、之程不可解なものはないのである。私は、死に就て自分の永年の実験と、諸々の宗教、泰西に於ける心霊実験と、凡有る分野に渉って研鑚の結果、解決が着...