著述一覧(未発表)

医学試稿

肺病(二)

肺浸潤に付て説明をする。此病気は肋骨及び肋間に溜結したる毒素の浄化作用である。其際必ず微熱がある。それによって溶解した毒素が肺へ浸潤し、喀痰となって排泄されるのであるから、必ず治癒すべきものであって、それは何等の療法をせず放置しておけば自然...
医学試稿

第三篇 病気の真相 肺病(一)

今茲で主なる病気に就て説明をしてみよう。結核に就ては、前篇にも述べたが、尚一層詳しく述べてみよふ。現今、肺結核は激増したといふが、実はそれは謬りである。先づ、肺結核の初期から述べてみる。之は感冒の時に述べた如く、感冒の浄化作用、何回もの停止...
医学試稿

三毒

天然痘毒素、薬毒、尿毒の三毒は、病原であるといふ事は、大体説いたつもりであるが、是等の毒素の性質作用等に就て述べてみよふ。然毒は、遺伝性であるから古いのである。此三毒共、其浄化作用の場合、古い程痛苦が軽く、新しい程其反対である。従而、然毒に...
医学試稿

尿毒

独逸の医界の泰斗○○氏の説によれば、「万病は尿酸が原因である」といふ。此尿酸といふのはここにいふ“尿毒”の事であらふ。陰性天然痘毒素が神経集注個所へ溜結し易いといふ事は、度々述べた通りであるが、人間の作業上腰部に力を入れる関係上、腎臓部に溜...
医学試稿

薬剤の毒(二)

人間が病気に罹るとする。熱が出る、痛み、不快、咳、痰などが出る。薬を服むと軽くなる。丁度、薬によって病気が治るやうにみえる。然し、度々言った通り、薬と称する毒を服んで全身を弱らせる。弱らせるから浄化作用が弱る。苦痛が軽くなる-といふ訳である...
医学試稿

薬剤の毒(一)

天然痘毒素の外に薬剤の毒、すなわち薬毒といふ毒素が、如何に恐るべきものであるかを説明してみよふ。古今東西を問はず、病気に対する薬物療法は、人類に如何に根強く浸潤したであらふか。病気に罹れば薬を服むといふ事は、腹が減れば飯を食ふといふ事程、そ...
医学試稿

病原としての天然痘毒素

陰性化されたる天然痘毒素は、如何なる作用を作(ナ)すやといふに、人体内の何れかに浄化作用によって集溜するのである。その集溜する個所は、感冒の項に述べたる通りの個所にて、感冒の浄化作用停止が回を累ねる結果、肺結核となるのであるから、近来の結核...
医学試稿

天然痘と種痘

種痘の効果は、天然痘に罹らないといふ事は知らぬものはない程明かである。然し是に稽(カンガ)ふべきは、天然痘に罹らないといふ事は、天然痘の毒素が解消したといふ事ではない。チフス菌があっても発病しない人が往々あるのと同じ訳である。 人間は生れ...
医学試稿

国民体位の低下の真因

抑々、文明国民の体位の低下は、西歴千八百年頃からであって、彼の英国に於ても十八世紀中に、最高一ケ年百弐十万の増加をみた事さへあるが、十九世紀の初頭より漸次増加率の逓減を表はし、近年に到って弐十万位といふ驚くべき減少率を示してゐる。英国の有名...
医学試稿

結核は絶対に感染せぬ

医学上、結核は感染する事になって居るから、世人は非常に恐れてゐるが、何ぞ知らん、絶対に感染はしないのである。之に就て私の実験を報告する。それは私の家族五、六才から十七、八才までの子供六人、書生女中等四、五人居る。その中へ肺結核患者、之は私の...