明日の医術

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生気説

左の一文は石井常三氏著「生気法綱要」中に掲載されたるものより参考となるべき点を抜萃要約編輯(ヘンシュウ)したもので、同著者に感謝するものである。先づ、東洋哲学に於ては、五千年前支那に於て発見された一種の精気説であって、その解釈によれば、宇宙...
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医学の神聖化

私は現代医学の構成に就て、常に不可解に思ってゐる事がある。それは何であるかといふと、医学に対し、専門家以外の者、即ち第三者をして一歩も容喙(ヨウカイ)せしめないやうになってゐる事である。臨床上に於て特に然りである。即ち病気や健康、衛生に関す...
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見えざる力

本医術によって重難病を治癒されたものや本医術の修得を受けたるものが異状の感激に浸り、その効果を讃へ、空前の大医術である事を人々に説くと雖も容易に受入れる者は少いとの歎声をよく聞くのであるが、之は如何なる訳であるかといふ事を、私は説かうとする...
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現実無視の悲劇

現代医学に於ける現実無視は看過出来ないものがある。それに就て私の経験及び其他の例を挙げてみよう。私は二十数年以前慢性歯痛に悩まされた事がある。それは四本の歯が痛み続ける事一年有余に及んだのである。一時は痛苦のあまり頭脳に変調を来し、発狂の一...
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病気に感謝せよ

私は曩に「病気は神の最大なる恩恵である」と言った。その理由は最早読者は充分認識されたであらう。然るに世間、闘病などの文字を使用し、病と闘ひ、病を征服する事を以て治病の要諦と解してゐるが、之等が如何に誤りであるかは、爰に言ふ必要はあるまい。私...
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宗教と信仰

本医術を以て宗教的と見たり、信仰的と思ったりする人も偶々あるやうである。之に就て私は、宗教でも信仰でもない事を述べようとするのである。先づ宗教であるが、宗教とは、読んで字の如く、何々宗といふ一個の団体を作り、教義を樹立し、その教を説き、その...
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戦力増強に就て

私は茲に、頗る大胆なる意見を発表しようとするのである。それは外でもない。現下闌(タケナ)わなる大東亜戦争に対し、日本の戦力を三割以上増強する絶対確実なる方法を明示するのである。軍事専門家の常にいふ処の勝敗の鍵は、敵の力よりも一パーセント、否...
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B・C・Gの注射に就て

最近政府は、B・C・Gなる注射を、一般国民学校卒業後の少年に施行するといふことに決したといふことである。そうして同注射について、厚生省結核課、楠本正康技師の話によれば--『わが国の結核の発病状態をみると、未感染者の発病率は、既感染者に比べて...
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学説と現実

昭和十八年三月十一日の朝日新聞、強兵健民欄に左の記事が掲載されてゐた。『医学と体育の問題』--強兵健民を目指してわが体育はあらゆる角度から再検討されてゐるが、体育問題を掘り下げれば下げる程医学との深い結びつけの必要さが痛感される。ここにおい...
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第三篇発行に就て

最後に断はっておきたい事は、霊的事象を重に記載するつもりの第三篇は資料の蒐集等に時日を要する関係上今の所発行未定につき読者は右諒せられたいのである。(明日の医術 第二篇 昭和十七年九月二十八日)