岡田茂吉

明日の医術

此事実

私は、本医術が現在如何に国家に貢献しつつあるかといふ事を書いてみたいのである。勿論私は現在直接治療に従事してはゐないのであるが、各方面に於て、私が養成した処の多くの治療士及治療士以外の弟子達が治病報国に如何に専念努力しつつあるかといふ事であ...
明日の医術

風邪引運動と薬廃運動

私は、最も簡単な浄化作用として風邪引く事の如何に効果があり、感冒とは全く神が人類に与へた最大なる恩恵であるといふ事を述べた。又薬毒の如何に恐るべきかといふ事も読者は最早充分首肯されたであらう。故に此二大誤謬に目覚め、それを改善実行する事によ...
明日の医術

生産増加の根本条件

我日本が現在直面しつつある此難局に対し最大喫緊事である事は戦力の増強、即ち生産力拡充である事は今更言ふ迄もなく、官民共に努力の焦点としてゐる事によってみても明かであらう。そうして此問題に対し、現在行ひつつある方策なるものは、私は聊か的外れで...
明日の医術

哲学的に観たる本医術

今日迄、本療法によって偉効を奏した場合、之を批判するその観念が非常に誤ってゐる事である。それは何であるかといふと、薬剤も機械も使はないといふ治病方法であるから、現代人としては永い間唯物療法によらなければ病気は治らないと固く信じてゐる結果どう...
明日の医術

本療法の原理

本療法の原理を説くに当って、私は、之に着眼した動機から述べてみよう。抑々人間なるものは、如何にして造られたかといふ事である。それに就て、宗教家は、造り主である神が造られたといひ、科学的即ちダーウィンの進化論によればアミーバが蜥蝪(トカゲ)...
明日の医術

不思議な事実

私は医家に関し、不思議に堪へない事実に常に逢着するのである。それは、本療法によって大病院又は大家が見放した重症が、奇蹟的に治癒する場合、患者は嬉しさの余りと、此様な素晴しい医術によって、如何に人々が救はれるであらうかを想って、医家に向って詳...
明日の医術

医師会に就て

茲で、医師会なるものに就て一言いはして貰ひたいのである。それは今日迄の如き、西洋医学のみの団結を革(アラタ)め、総ての民間療法も抱擁して、相互の特長を研究錬磨し、その結果として日本独特の医学を樹立すべきではないかと惟ふのである。元来医師会の...
明日の医術

医師の資格

医師の資格に就て、茲に見逃す事の出来ない一大欠陥のある事を私は指摘したいのである。それは当局が医師の資格を附与する場合現在迄の機構に於ては、学歴、経験、論文の三者による事でこれは遍く人の知る処であるが、実はそれだけでは、最も緊要なる点を逸し...
明日の医術

異食物に就て

薬毒の害及び異食物に就て詳説したが、今一層説かなければならない。それは人間の消化機能なるものは、人間の食物として自然に与へられたる物以外は、全部消化し終るといふ事は出来ないやうである。従而薬剤即ち洋薬も漢薬も天与の飲食物ではない。いはば、非...
明日の医術

医学不明の流行病

近来、我国民の中年以上の男女に特殊の疾患があって、それは現在相当多いのであるばかりか、漸次増加の傾向さへ認めらるるのである。そうして此病患は医家が診断すると雖も更に判明しないので、医家は病患はないといふのである。にも係はらず本人は非常に苦痛...