私は、最も簡単な浄化作用として風邪引く事の如何に効果があり、感冒とは全く神が人類に与へた最大なる恩恵であるといふ事を述べた。又薬毒の如何に恐るべきかといふ事も読者は最早充分首肯されたであらう。故に此二大誤謬に目覚め、それを改善実行する事によって今日最も難問題とされてゐる結核と雖も、十年を出でずして半減する事は断言し得るのである。右の意味に於て何れの日か必ずや風邪引運動と薬剤廃止運動が何人かによって必ず行はれるべきであらう事は疑ないのである。従而此運動が一日早ければ早いだけ国家国民に対し、如何に大いなる利益あるかは言を要しないのであらう。而も猶本医術を施行するに於て右の目的に向て拍車をかける事になるのは明かである。
(明日の医術 第一篇 昭和十八年十月五日)