著述編

天国の福音

病患と医学の誤謬

現代医学に於ける誤診並びに治療の無能なる事は、医家と雖もよく認識してゐる筈である。内科的病患が診断と解剖との相違の大学に於ける統計のあまりに多い事は世人は知らないであらう。又西洋医学の治病成績の統計を作ったなら想像もつかない程の不成績に驚く...
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既存療法

茲で既存療法の重なるものに就て一通り説明する。凡有(アラユ)る既存療法が浄化作用停止である事は読者が充分諒解された事と思ふ。然し今一層徹底的に説いてみよう。私が幾多の経験上最も恐るべきは彼の六百六号(サルバルサン)の注射である。之は周知の如...
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冷へと便秘

冷への原因は局部的発熱に因る悪寒又は局部的毒結による血液不循環の為である。多くは腰、下腹部、脚部、足の甲及び指先等で、特に婦人に多いが、之等は毒結を解除すれば解熱及血液が循環するから簡単に治癒するのである。便秘は非常に多い症状で、且つ長期に...
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咳嗽および逆上と耳鳴

咳嗽は曩に詳説したが、尚二三補遺する事がある。咳嗽発生の原因は実に身体凡ゆる局部からであって、医学で謂ふが如き咽喉とする事は問題にならない錯誤である。意外と思ふのは頭脳、顔面、歯齦、手足の指、特に股間陰部等にある固結毒素を溶解施術するや、間...
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憂欝症及び麻痺

憂欝症の原因として最も多いのは頸部及び肩の凝りである。殊に面白いのは嬰幼児の場合である。之は常に機嫌悪く憤(ムズ)かるが、医学では全然判らない。よく虫気の為などといひ虫下しや禁厭(マジナイ)などを行ふが、之等は迷信にすぎないのである。私...
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眩暈及び不眠

眩暈(メマイ)も多い病気であるが、医学では不明とされてゐる。然し、其原因は頗る簡単である。原因として最も多いのは、右側延髄部に固結があり、それが眼球へ送血する血管を圧迫する為で、その圧迫が波状的の故を以て視神経が動揺するのである。次は高熱の...
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浮腫及び盗汗

浮腫は其原因に二種ある。普通は腎臓萎縮又は膀胱の支障であって、腎臓萎縮は一般的浮腫の原因である。重症は全身的、軽症は局部的で、例へば左右孰れかの半身又は下半身といふやうな事もある、然し乍ら局部的と雖も顔面又は片腕、脚等の場合は萎縮腎でなくそ...
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下痢

下痢は最も多い症状で、先づ急性と慢性とに区別される。急性は飲食物に因る中毒即ち食あたりである。世間よく寝冷へによって起るといふが、之は誤りで冷へに因る下痢は極稀である。食中(ショクアタ)りに因る下痢の際、薬剤によって止めたり、反対に蓖麻子油...
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不快感及び嘔吐

茲に不快感といっても一様ではない。重なる症状を記せば嘔気、痙攣、船車の酔、憂欝感等であらう。そうして最も多いのは嘔気である。此原因は脳貧血に因る胃の反射作用と高熱、食物中毒、薬剤中毒、溜飲、幽門狭窄、姙娠の場合等である。脳貧血が強度に発生す...
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掻痒苦

掻痒苦は痛みに比して侮り難い苦痛である事は誰も知る処である。原因は勿論薬毒、然毒及び食餌中毒の三種であり、一般に知られてゐるものとしては彼の疥癬及蕁麻疹である。此原因は主に前者は然毒後者はカルシュウム注射、ヨード剤等である。疥癬は種痘に因る...