著述編

明日の医術

二一、小児病 脱腸

此病気も小児には多いのであるが、老人にも会々あるのである。そうして此病気は、人により軽重が甚だしく、軽症に於ては、成人するに従ひ自然治癒するが、重症は治癒が困難で、医療に於ては手術をなし、軽症は脱腸帯を使用させるのである。此病気の原因は腹膜...
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二一、小児病 肺炎

小児の肺炎は、百日咳を固めた結果と、麻疹の場合と、肺臓の周囲又は其一部に集溜せる毒素の猛烈な浄化作用とである。特に小児に於ては呼吸逼迫(ヒッパク)、喘音、不快感等が著るしいので、近親者は恐怖し、痛心するのである。然し、医療に於ては、凡ゆる...
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二一、小児病 喘息

小児喘息は、前項の如き原因が多いのであるが、その他の原因としては遺伝である。そうして小児喘息は、その殆んどは横隔膜辺から胃及び肝臓の外部へかけての毒素溜結であって、之は放任しておけば、成人するに従ひ自然治癒するものである。又、背部に溜結毒素...
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二一、小児病 百日咳

百日咳も多い病気であって、強烈な持続的咳嗽によって、白い泡の如きものを嘔吐するので、それが百日咳の毒素であるが、此先天的毒素を全部体外へ排泄するのに百日位かかるので百日咳といふのである。そうして右の如く、強烈な咳嗽及び嘔吐の場合、その苦悶の...
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二一、小児病 麻疹

此病気は、他に異常がないのに、数日間発熱が持続して、それから発(オコ)るのが普通である。之は生理的浄化作用であるから、放任しておいても大抵は治るのであって一時に発疹する程いいのである。此際外出したり、風にあてたりすると、発疹を妨げるから良く...
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二一、小児病

最後に、小児に特有な病気を概略説明してみよう。それは先づ疫痢、麻疹(ハシカ)、百日咳、肺炎、喘息、脱腸、小児麻痺、ヂフテリヤを重なるものとし、其他種々の病気がある。疫痢は、小児に最も多く、最も恐るべき病気とされてゐる。今迄何等異状のなかった...
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二○、腫物とその切開に就て

腫物には、瘍疔(ヨウチョウ)や其他結核性等種々あるが、大体は同一と見做して可いのである。それは腫物のすべては浄化作用によって、体内の不純物が毒血や膿汁となって一旦皮下に集溜し、腫脹し、皮膚を破って排泄せらるるのであるから、全く生理的自然作用...
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一九、婦人病

婦人病にも種々あるが、概略左に説いてみよう。最も多いのは、子宮に関する病気である。医学では子宮内膜炎又は実質炎、周囲炎等の名称を附してゐるが、炎のつく限り有熱病であるから、浄化作用が起ってゐるので、放任しておけば必ず治癒するのである。然るに...
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一八、精神病及び癲癇

精神病と癲癇は洵によく似てゐて、共通的のものであるが、又異なる点もあるのである。そうして此孰れもが、全然霊的原原によって発病するのであるから、如何に体的、唯物的療法を行ふと雖も効果がある筈はないのである。故に、之は、霊的病気の項目に詳説する...
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一七、花柳病

花柳病といへば、医学上硬性下疳(コウセイゲカン)即ち梅毒及び軟性下疳及び淋病の三種とされてゐる。然し、近来今一種発見されたとして居るが、茲では三種だけの説明で充分と思ふ。硬性下疳は医学上スピロヘータなる黴菌によって、不潔なる行為から感染す...