医学試稿

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文明人の滅亡

○年○月○日発行の内閣週報、左の如き統計が出てゐる。(新聞記事不明)右の如く、文明国の人口は近年に至り、驚くべき衰退の方向に嚮ひつつあって、英国の如きは、西暦千八百年頃は一ケ年百弐十万の増加を見たのが、今日では弐十万に低下し、年々減少しつつ...
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第二篇 病気 病気とは何ぞや

此事は、数千年来、人類が此悩みを解決せんとして如何に努力したであらふ事は、余りにも明白な事である。そうして我国に於ても千余年前、漢方医術が渡来し、次いで明治少し以前、西洋医学が渡来し、今日に至ってゐる事も周知の事実である。そうして、政府も国...
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霊主物従

凡ゆる一切の物に霊があるが、然らば、霊と物質とに就ての関係を瞭かにしよふ。それは、眼に見えない無にも斉しい霊が主であって、物質は従といふ事である。従而、霊が物質を支配してゐるのであるから、人類社会に於ける如何なる事でも霊の作用であって、霊界...
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現界と霊界

人間の死とは、肉体から霊が脱出分離するといふ事は、前項の通りであるが、然らば、脱出の霊魂は何処へゆくかといふと、それは霊界なる別の世界の住人になるのである。であるから、仏語でいふ往生とは、“生れ往く”とかくのである。それは、現界からみるから...
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死とは何ぞや

人生に関する事柄の中、死程切実な問題は無い。といふ事は誰も知り抜いてゐるのであるが、さらばといふて、之程不可解なものはないのである。私は、死に就て自分の永年の実験と、諸々の宗教、泰西に於ける心霊実験と、凡有る分野に渉って研鑚の結果、解決が着...
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生と死

古来、凡人は固より、先哲、聖賢も此死の問題に就て程、如何に論議し説得され、又解決しよふと努力したものはないのである。いふ迄もなく、如何なる幸福も、如何なる希望も、此死によって万事休すで、此事以上に恐るべき事はあり得ないのである。然るに此恐る...
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霊と体

前述の如く、物質及び空気は、何れもその存在を捕捉し、確認せらるるのであるから、空気と雖も物質として扱はるべきものであるから、無と同様の存在である。霊気と対照してみる時、一の霊と二の体と区別してみると、霊と体とになるのである。然るに、此無と想...
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三原素

前項に述べた如く、吾々の住む此地球上の凡ゆる生成化育の本源が、火水土の密合調和であるとすれば、それ等の作用が万物に対し、どういふ風になるかといふ事を説明してみませう。現代人は、科学の進歩によって大抵のものは一応解決されたやうに思ってゐる。然...
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第一篇 森羅万象の構成

凡そ、天地一切有りと凡ゆる物の原素としては、大別して、私は三つに別けます。その三つは何かといふと、火と水と土であります。如何なる物と雖も、火と水と土に関りのないものは決して在るはづがない。否、火と水土それ自体が此宇宙であり、万物の実体である...
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はしがき

岡田大先生が創始されたる病気療法は、名称は指圧療法の名を用ひてゐるけれども、実際は、本当の意味の指圧療法ではないので、適当な名称が見当らない為、やむを得ず人口に膾炙した指圧療法といふ名を用ひられておったといふ事は、度々先生から聞かされたので...