著述編

栄光

嘘吐き迷信

迷信にも色々あるが、一寸人の気の付かない迷信に、此嘘吐き迷信がある。つまり嘘を吐いても、巧くゆく事と思う迷信で、現代の人間は実によく嘘を吐く、大抵の人は最早馴れっこになって了って、不知不識嘘を吐いても平気である。つまり嘘が身に付いて了って全...
栄光

無題

今年の赤痢大流行は、誰も知る通りであるが、此分でゆくと余程の数に上るであろう。処が医学では、赤痢は黴菌によって伝染するものとして、予防に汲々たる有様であるが、現在はそれより外に方法がないから致し方ないとしても、吾々から見れば、寔に幼稚極まる...
栄光

六韜三略の巻

昔から六韜三略(リクトウサンリャク)の巻という言葉があるが、之には非常に神秘があって、此謎を解く人は今迄なかったようである。之を私からいえば、よく絵や彫刻にある観音様の御手に持たれている巻物に当る訳で、之を持経観音の御名で古くから伝えられて...
栄光

三大迷信とは何か

本教の目的とする処は、新しい文明の創造である事は、いつもいう通りであるが、第三者が之を見たら、一寸不思議に思うであろう。何となれば、現在野蛮時代ではあるまいし、今更新しく文明の創造なぞとは、少しどうかしているのではないかと思うかも知れないが...
栄光

法律と人間の野蛮性

現代の世界では、文明と曰われる国程法的制度が進んでおり、法律条文も年々増えつつあるのは衆知の通りであって、全く現代は法律万能時代といってもよかろう。従って法規の多い事は、其局にある司法官や、弁護士なども、全部を覚えるには一生涯掛っても難しい...
栄光

各宗教祖との誓い

私は昨年の事件から、恰度一年目の今日思い出したので、静岡県庵原警察署の留置場に十五日間抑留されていた際、霊的に色々な事があったのをかいてみようと筆を執ったのである。何しろ場所が場所とて、来る人はなく、朝から晩迄薄暗い三畳敷位の部屋で、何する...
栄光

医師の医学迷信

此標題を見ただけでは一寸不思議に思うであろうが、段々読むに従って成程と肯くであろう。現在医学が大いに進歩したとしており、此儘続けてゆけば、人類から病気は段々減るものと信じて、一生懸命専攻的に研究している学者もあるし、又直接病人に打つかって、...
栄光

此奇蹟

本教信者は、奇蹟がありすぎるので、馴れっこになって了って、大抵の奇蹟は感じないようになっているが、左記の奇蹟は理屈のつけようがあるまい。之を無神論者が見たら、何というであろうか、聞きたいものである。神の御守護宏大無辺牛車にて胸腹部を轢いた子...
栄光

程とは

私は以前某所で、山岡鉄舟先生筆の額を観て感心した事がある。それは最初に程という字が大きくかいてあり、其次に小さく“人間万事此一字にあり”とあった。之は今以って忘れられない程私の心に滲みついている。というのは、私は今日迄何十年の間、何かにつけ...
栄光

宗教文明時代(下)

又別の面から私の事をかいてみるが私という者は、前述の如く生れて中年頃迄は普通人と何等変った点はなかった。中年を過ぎた頃から、非常に逆境に陥り、世の中が分らなくなって了い、底なき程の懐疑の虜となって了ったのである。それが動機となって信仰を求め...