著述編

明日の医術

各国に於ける人口動態

今試みにフランスに於ける人口動態を示してみよう。此国と雖も十九世紀の初頭には出生率は相当高いのであった。即ち西暦一八○一~一○年には三二・四、一八一一~二○年には三一・八、一八二一~三○年には三一・○であった。然るに一八三一~四○年に三○・...
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人口問題

今日世界の文明国に於て、最も重要なる問題として関心を払はれつつあるものは何といっても人口問題であらう。それは民族興亡の根本をなすものであるからである。一国の富強はアダム・スミスの曰った「人口増殖力に関ってゐる」との言葉は全く至言である。又ム...
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序論

此書を読む人の為に前以て断っておきたい事は如何なる読者と雖も、今迄読んだ処の書物否今日迄全世界で出版された凡ゆる書物と雖も、恐らく私の此著書位想像もつかない驚愕すべき説は無いであらうと思ふのである。或は異端邪説視する人もあるかも知れない。そ...
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政府は西洋医学と民間療法との比較実験を、行って可なり 「附録」

近時西洋医学の治病能力が、余りにも薄弱であるが故に、患者は止むを得ず、他の種々の療法を求めんと焦慮する事は、寔に無理からぬのである。或者は灸治に、指圧に、或者は類似宗教に何々療法に趨るのであるが、それは実に、西洋医学よりも、何々療法の方が治...
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西洋医学の大誤謬 結論

西洋医学の誤謬と、本療法の効果とは、大略述べた心算であるが、其帰結として、今少し、述べてみたいのである。西洋医学に於ける黴菌の研究及び、生理解剖、分析等は、確に、有用であるから、勿論、飽迄も、科学的に進歩発達せしむべきものである。唯私が一大...
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西洋医学の大誤謬 医学に欺されてる、医師

西洋医学に依る、治病能力の疑問は再三述べた処であるが、多くの医師諸君の中には、之をハッキリ、認識出来得ない人もあらう。それは、薬剤や物理療法に依っての、苦痛の軽減を、治癒されると思う誤認である。病気軽快と治癒とは、全然異ふ事も、述べてある通...
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西洋医学の大誤謬 風邪は、唯一の浄化法

如何なる健康人と雖も、遁るる事の出来ない病気は、先づ風邪であらう、然るに昔から、感冒は万病の因、と言って、非常に恐れるのであるが、之は大変な誤りである。茲に先づ、風邪の原因を開明して、風邪は決して恐るべきものではないばかりか此病気あるが為に...
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西洋医学の大誤謬 種痘による、免疫の不完全

現在、凡ゆる疾患の原因を探究する時、それの殆んどが、一種の水膿の溜結である。されば之が頸部の周囲及び延髄、又は肩凹部に溜結すれば、風邪、神経衰弱、脳疾患、眼病、耳鼻咽喉病等の原因となり、胸部のそれは、呼吸器病を起し、其他胃腸、肝、腎、胆、中...
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西洋医学の大誤謬 毒素療法

病気は、自然浄化作用であるといふ事は述べた通りである。故に、人間は、病気といふ、浄化作用があるから、健康を保ってゐると言っても可いのである。であるから真の病気治療とは、病気を外部へ排泄する事であって、内へ押込む事ではない。例へば、腫物が出来...
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西洋医学の大誤謬 対症療法の不可

病気の原因に就て、西洋医学は、未だ何等確定的発見がない。故に、病理としては、肉体に現はれたる現象に病名を附し、其進行過程を、説明するに過ぎないのである。従而、其療法としては、現象に対応する、対症療法が、主である。対症療法とは即ち、苦痛の軽減...