著述編

栄光

近来の作品

見よ、近来の作品を。日本絵具を油の代用にしてゐる迄だ。之は自己を生かさんとして、自己を殺す事だ。然し乍らレベル以下の画人層は自己満足でそれでいいだろうが、レベルの上に立つ画人は浮薄なる流行を追ふ事は出来ない、と言って超然たる事も出来ない。そ...
栄光

京都画壇を見る

茲で、当時の京都画壇を一瞥してみよう。当時竹内栖鳳氏は京都の画壇に鎮座ましまして、大御所的威を張ってゐたので、東の大観に対し西の一敵国の概があった。勿論京都派の有為の画人は、東京と同様栖鳳を追随したのは勿論である。然し栖鳳逝いて後、盲人の杖...
栄光

展覧会を観て(上)

私は今度久し振りで、上野に開催中の二つの展覧会を観た。一つは院展、一つは二科会である。どちらも現在日本に於ける東西絵画の代表と思ったからだ。そこで見たままの印象を、茲に赤裸々にかいてみよう。今迄多くの展覧会を見たが、今度程不思議な感に打たれ...
栄光

神仙郷の意義

今度、美術館を除き大体完成した此神仙郷に就て、実に深い大きい意義のある事を知らねばならないのである。といふのは、抑々日本の国を造られた神様の意図は世界の公園たらしむる事である。何よりも日本にある自然を見ればよく判る。日本位自然の風景、山水美...
栄光

文化の創造

本教の名は、救世教となってゐるが、勿論最後の世の救の為に現はれたのであるから名実共に間違ってはゐないが、一名創造教と言ってもいい、それを説明してみやう。抑々現在迄何十世紀に亘って、人類は文化を進歩発展させようとして、営々撓まず、屈せず、総力...
栄光

新文化の構想

そうして、新文化の構想は已に充分用意されてゐる。之は人間の智慧や力でのそれではない、神が数万年以前から、着々準備され給いつつあった事である。而もそれは霊的のみではない、物質的事象によっても、私は現実的に視てゐるのであるから、絶対誤りはない事...
栄光

世の終りと天国

そうして、今日迄その役目をして来た処の宗教、道徳、教育、法律等も成程或程度の功績は挙げ得たが、今以て予期に反し悪の跋扈によって善は虐られている。前述の如く原子物質が悪に使用されるといふ憂慮がよくそれを物語ってゐる。茲で別の面から今一層深く考...
栄光

原爆の善悪両面

天国だと思って歩いて来た道は豈計らんや、実は地獄の道だったのだ。一瞬にして幾十万の生霊を奪ふといふ物質が出来て了ったのだ。恐らく歴史上之程人間の予想と喰違った事件があったであらうか、人類、特に文化民族が此戦慄を生んだ以上、其脅威から何が何で...
栄光

新旧文化の交代

抑々現代文化は、数千年以前の原始時代に比べると、驚くべき進歩発達を遂げ、又遂げつつある事は、今更贅言を要しない処であるが、こうなる迄には人類は如何に苦心努力して来たかは、彼の天災、戦争、病魔等に対し、惨澹たる苦闘を続けつつある人類史がよく物...
栄光

世界はどうなる

朝鮮問題を契機として世界の状勢は一変した。今迄誰しも想像してゐた事ではあるが長い間の冷い戦争が遂に熱い戦争になって了ったからだ。それが目前の現実である。お隣りから第三次大戦の口火としか想はれない戦争が始まらうとは誰しも予期しなかったであらう...