天国の福音

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顕幽不離

人間は死後と雖も、現世に於ける一切は其儘持続するので、死の苦痛と雖もそのまま持続するのである。これに就ての一つの実例をかいてみよう。以前私の部下に山田某といふ青年があった。或日彼は私に向って『急に大阪へゆかなければならない事が出来たので暇を...
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霊界の構成

前項に述べた如く霊界は天国、八衢、地獄の九段階になってをり、その段階の差別は何によるかといふと光と熱である。即ち最上段階は光と熱が最も強く、最低段階の地獄は、暗黒と無熱の世界であり、八衢はその中間で現界に相当する。現界に於ても幸福者と不幸者...
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霊界の審判

抑々人間は、現世に於て人類社会の為与へられたる天職使命を完全に遂行すべきであるに拘はらず、その殆んどは事物の外殻のみを見、不知不識の裡に悪に属する行為を重ねる為、それが罪穢となって霊体に曇が堆積する。従而死後霊界人となるや、その罪穢の払拭が...
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幽霊はあるか

昔から幽霊の有る無しに就ては、諸説紛々として今以て決定しないが、私は有りと断定する。何となれば実際あるからである。有るものを無いとは何人と雖も言へないであらう。彼の釈尊の説いた地獄、極楽説もダンテの神曲に於ける天国地獄煉獄も、決して荒唐無稽...
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生と死

人生死の問題ほど切実なる問題はあるまい。故に死及び死後に就て幻想的でない実證的の解説を得たならば之程の喜びはないであらう。私は此問題に対し霊的事象の研究から得た成果を発表し、遍く世人に知らせ、蒙を啓(ヒラ)きたく思ふのである。尤も死後の問題...
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未知の世界

吾々が生を保ち、呼吸しつつある処の此世界は物質界であり、第一世界であるが、人の死するや、霊界なる未知の世界-即ち第二世界の人間となるのである。此未知の世界は眼に見えず捕捉する能はず、無と何等異らざる世界なるが故に、一片の説明や文字の羅列等で...
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神仏はあるか

私が此偉大なる医術を発見し得たといふ事は、霊の実在を知り得た事がその動機である。即ち霊を治療する事によって体の病気が治るといふ原理であるが之は、将来の文化に対する一大示唆と観ねばなるまい。実に科学の一大革命である。何となれば病気治療以外の凡...
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罪穢と病気

罪穢と病気の関係に就ては、宗教方面に於て多く唱へられてきた。之は事実であるが、私は霊的医術の見地から説くつもりである。前項に述べた如く、人は悪を想ひ悪の行為を累(カサ)ねるに従って漸次曇が増量する。然るに曇の濃度が或程度に達する時、それを解...
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霊波と霊衣

私は曩に治病力としての神秘光線に就て説明したが、茲に今一層詳説してみよう。人間の霊体は肉体と同様の形態を有してゐるが、但だ異る所は霊体には霊衣なるものがある。洋語ではアウルといふ。それは霊体から不断に一種の光波を放射してゐる。恰かも霊体の衣...
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「附録」霊科学

私は前項迄に於て、私が創成した処の新しき医術に就て概略解説した積りである。然し乍ら尚徹底するには、霊及び霊界に関する凡有(アラユ)る事象を一通り知らねばならないから、順次述べてみよう。(天国の福音 昭和二十二年二月五日)