御神書

自観叢書

生霊

斯ういふ事もあった。某大学生に霊の話をした処仲々信じない。「それなら僕に何か憑依霊があるか査べて呉れ。」といふので、早速霊査法に取掛った。間もなく彼は無我に陥り、若い女らしい態度で喋舌り出した。その憑依霊といふのは、当時浅草公園の銘酒屋の女...
自観叢書

夢と邪霊

昭和七年四月の或日午後三時頃電話が掛って来た。すぐ来て貰ひたいといふので、私は早速その家へ赴いた。その家は相当の資産家で、そこの妻女の難病を治してから間もない頃であった。その妻女に面会するや彼女は口を開き『実は先刻ウツラウツラ居眠りをしてゐ...
自観叢書

精神変質症

大体狂人は皆変質であるが、之は又珍らしい型である。此男は四十幾歳で、発病後五六年経た頃私の処へ来たのであるが、其態度も話しぶりも普通人と少しも変ってゐない。精神病者とはどうしても受取れないが、此男の語る所は次の如きものである。私の腹の中には...
自観叢書

憑依霊の種々相

其頃小山某なる三十歳位の青年があった。此男も霊媒として優秀なる資格者であった。此男は大酒呑みで酔ふと精神喪失者同様、物の見境ひもなく、一文の金も持たずして近所の酒屋を一軒々々飲み廻るのであるが、その尻拭ひを親父がいつも、させられるといふ訳で...
自観叢書

グロ的憑依霊

之は頗るグロで興味のある憑霊現象であった。確か昭和八年頃だったと思ふ。当時四十二歳の男、仙台の脳病院へ入院加療したが、更に効果がないので東京の慶応病院に診療に来たのであった。処が此男の症状といふのは頗る多種多様でグロ極まるものである。特に最...
自観叢書

狐霊と老婆

私が実験した多くの中での傑作を一つ書いてみよう。之は五十余歳の老婆で、狐霊が二三十匹憑依してをり、狐霊は常に種々の方法を以て老婆を苦しめる。それで私の家へ逗留させて霊的治療を施し研究の対象としたのである。その間五六ヶ月位であったが、此老婆は...
自観叢書

化人形

以前私が扱った化人形といふ面白い話がある。或時私の友人が来ての話に、「化ける人形があって困ってゐるから解決して貰ひたい。」と言ふのである。私も好奇心に駈られ兎も角行く事にした。其当時私は東京に住み霊的研究熱に燃えてゐた時なので、早速友人と同...
自観叢書

広吉の霊

私は霊的研究と治病の実験を併せ行はふとした最初の頃である。それは十九歳になる肺患三期の娘を浄霊した。二回の浄霊で些か効果が見え第三回目の時であった。私が浄霊にかかると側に見てゐた娘の母親であるM夫人(五十歳位)が突然起上って中腰になり、その...
自観叢書

天国と地獄

天国は曩に述べた如く上位の三段階になっており、第一天国、第二天国、第三天国がそれである。第一天国は最高の神々が在しまし、世界経綸の為絶えず経綸され給ふのである。第二天国は第一天国に於る神々の補佐として、それぞれの役目を分担され給ひ、第三天国...
自観叢書

死後の種々相

死にも種々あるが、脳溢血や卒中、心臓麻痺、変死等の為、突如として霊界人となる場合があるが、何も知らない世人は病気の苦痛を知らないから寧ろ倖せであるなどといふが、之等は非常な誤りで実は此上ない不幸である。それは死の覚悟がない為霊界に往っても自...