『下痢は最も多い症状で、先づ急性と慢性とに区別される。急性は飲食物に因る中毒即ち食あたりである』
(天国の福音「下痢」より)
『食あたりの下痢の際、薬剤等によって止めるか又は反対にヒマシ油等によって排泄を促進させようとするが、之は不可であって、自然に排泄させる方が成績は良いのである』
(明日の医術 第二篇「下痢」より)
『世間よく寝冷へによって起るといふが、之は誤りで冷へに因る下痢は極稀である。(中略)食中り以外突如として猛烈に発生する下痢症がある。一日十数回乃至数十回に及ぶものさへある。勿論水便であるが、血液の混入する事もあり、甚だしきは腐肉とも見ゆるものが下る場合がある。之等は膿及び毒血の固結の猛烈な浄化作用による為である。勿論肉や臓器の一片と雖も排出さるべき訳はない。其様な下痢症は青少年に多く老人は稀である。(中略)慢性下痢は数ヵ月或は数ヵ年に及ぶものさへある。(中略)之は既説の如く化膿性腹膜の浄化作用であって、原因は腎臓萎縮による尿毒が常に腹膜に溜結する為である』
(天国の福音「下痢」より)
(浄霊の個所)
急性下痢は、食あたり以外に、主に頭脳(後頭部)にある毒素が浄化されて起こります。浄霊は、頭脳および背面腎臓部、腹膜部をします。慢性下痢は、原因は腎臓萎縮による尿毒が常に腹膜にたまり、それが下痢となって出るためである。浄霊は、背面腎臓部および腹膜部を行います。
(新田博士のコメント)
日本医術では「食あたりの際、薬剤等によって止めようとするが、これは不可であって、自然に排泄させるのが良い」と説かれていますが、現代医学も同じ見解です。食あたりや食中毒というものは、そこに毒物が発生し、その毒物が腸を刺激して下痢を起こすわけです。それはその毒物を自然に排除しようとする良能なのです。ですから食中毒が原因で起こる下痢は薬で止めずに、逆に下剤で出したり、あるいは浣腸などをする方がいいわけです。現在では、抗生物質で下痢の原因となる菌を殺して、下痢を止めようとしていますが、それは本来のありかたではないと思います。しかし、コレラ、チフス、パラチフス、赤痢などで症状がはげしく、予後がわるいような場合には抗生物質の使用もやむをえないでしょう。
それから、「食あたり以外突如として猛烈に発生する下痢症がある。一日十数回乃至数十回に及ぶものさえある」とありますが、これの典型的なものはコレラです。コレラはお米のとぎ汁のような白い下痢を何十回もすることがあります。昇汞中毒でもコレラ様の症状を呈します。
また、その他にアレルギー性の下痢もあります。後頭部の毒素が排除されて下痢になるとか、尿毒が腹膜にたまり、それが下痢になるというようなことは現代医学では説明がつきません。ただ、腹膜炎の時に、腹膜の刺激症状として下痢がくることはあります。