2)不快感及び嘔吐

『茲に不快感といっても一様ではない。重なる症状を記せば吐気、痙攣、船車の酔、憂鬱感等であらう。そうして最も多いのは吐気である。此原因は脳貧血に因る胃の反射作用と高熱、食物中毒、薬剤中毒、溜飲、幽門狭窄、妊娠の場合等である。

脳貧血が強度に発生する時必ず嘔吐を伴ふものである。此際額に掌を触るれば氷の如く冷へ、膏汗を掻き、顔面蒼白を呈するので、脳貧血を確認するのである。此際頸部及び延髄部を探れば必ず固結がある。その固結を溶解施術すれば速かに快癒する。その訳は固結の圧迫が消へ、血液が頭脳に流通し得るやうになるからである。又高熱による頭脳浄化の場合、脳貧血と等しく胃の反射作用を起し、嘔吐の原因となる事もある。

食物中毒は食物中の毒素を体外に排泄すべき浄化作用であり、多くは下痢が伴ふものである。薬剤中毒は、年月を経て一旦吸収された薬剤が、胃内に還元する。其場合一種の毒素となり嘔吐するのであるから、斯かる場合服用せる薬剤の臭ひがする事がある。溜飲は胃内に流入せし胆汁が、胃弱の為嘔吐するのである。幽門狭窄に因る嘔吐は、胃によって消化せる食餌が幽門狭窄の為下降し難いから逆流せんとする為めである。故に斯かる場合、柔軟食又は流動食なれば狭窄せる幽門も通過し易いから吐気は起こらないのである。

悪阻は胃の外部に滞留凝結せる毒素が子宮の膨脹によって外部へ排泄されんとする為であるから、此毒素を溶解排除する事によって容易に治癒するのである。(中略)船車の酔は、胃の外部に毒結あり、それが動揺によって少しづつ溶解、胃内に浸透する為である。憂鬱感は霊的の場合、又は胃の不活発、黄疸、脳貧血又は肩及び背部の凝り等である』      
(天国の福音「不快感及び嘔吐」より)

(浄霊の個所)
脳貧血の場合は、頸部および延髄部に固結があり、それによって吐き気が起こるため、頸部および延髄部を中心に、背部、胃部を浄霊します。薬剤中毒をはじめ、その他の吐き気については、上記のそれぞれの原因部、さらに背部より胃部を浄霊します。

(新田博士のコメント)
日本医術では、吐き気について「原因としては脳貧血による胃の反射作用と、高熱、食物中毒及び薬毒中毒、溜飲、幽門狭窄等である」としていますが、医学的には、その他にも急性胃拡張や食べ過ぎ等々があります。

医学的には、嘔吐には中枢性のものと末梢性のものとがあります。

中枢性の場合は、脳の中にある嘔吐中枢の刺激によって、吐き気や嘔吐が起こるとされています。いろいろなケースがありますが、たとえば、熱性疾患の時に毒物が出て、それによって中枢が刺激されて、吐き気が起こることがあります。また、熱性疾患以外にも、内部に発生した毒による中毒の場合や、外から入る薬毒中毒によって中枢が刺激されて、嘔吐や吐き気が起こることもあります。

末梢性の場合は、たとえば胃炎や胃潰瘍のように、食べたものが胃の粘膜を直接刺激し、嘔吐や吐き気を起こす場合もあります。幽門狭窄による嘔吐は日本医術の通りで、これもほとんど末梢性です。