花柳病は、医学上硬性下疳即ち梅毒及び軟性下疳と淋病の三種とされている。尤も医学は近来今一種発見され第四種ありとしているが、茲では三種だけの説明で足りると思う。
（天国の福音 花柳病）
1) 硬性下疳（梅毒）
硬性下疳は医学上スピロヘータなる黴菌によって、不潔な行為から感染するとされている。そうして現在進歩したと称する駆黴療法は六百六号の注射及び水銀注射、又は水銀軟膏塗擦、ヨウド剤服用等を重なるのとしている。然るに既説の如く六百六号の害毒は、黴毒そのものよりも数倍悪影響を与えるのみならず、効果の一時的である事は医学も認めている通りである。又水銀療法に因る薬毒及びヨウド剤の薬毒も、長年月後種々の形となって表れ、生命を失う程の重症の原因となる場合も少なくないが、之等は進歩せりという医学が、今日迄全然発見され得ないという事は不思議である。医学上諸病の原因として遺伝黴毒を唱えるが、私は反対で黴毒は決して遺伝しない事である。将来医学に於ても私の説を肯定する時が来るであろう事を信ずる。又本医術によれば、黴毒は驚くほど容易に根治するのである。特に知っておくべき事は黴毒にかぎり苦痛のない事で、もし痛み又は痒み等ある場合、その苦痛だけの原因は梅毒ではないと思うべきである。此病気は最初疳瘡、次ぎは横痃、皮膚の斑點、毛髪脱落、声嗄れ等の症状が順次表れ等の症状が順次表れ、最後に到って鼻骨を犯し、言語不明瞭となる事がある。 （天国の福音 花柳病）
2) 軟性下疳
軟性下疳は、疳瘡、横痃のみの症状で、それ以上の進行はない。苦痛は発熱、痛み等で放任しても自然治癒するが、医家は手術を奨励する。然し之は反って長引くが、本医術に於ては簡単に全治するのである。
（天国の福音 花柳病）
3) 淋病
淋病は梅毒よりも悪性である。何となれば根治する事は不可能であるからである。故に淋病治癒とは実際上の治癒ではなく、再発の危険がなくなったという意味である。之は如何なる訳かというと、淋菌即ちゴノコツケンは生物で、有機物であるが、人体の抵抗力が増すに従い、漸次衰弱して無機質即ち一種の苔の如きものとなる。然るに此苔は飲酒、運動、発熱、其他の刺激によって有機物に変化する事があるので、それが再発という訳で、之は概ね短期間に治癒するのである。又右の苔が長年月後増殖する人があるが、それが為尿道狭窄を起こし、排尿に支障を及ぼす事がある。そうして医療は淋病に対し、漏膿時尿道内へ薬液を注入するが、それが為淋菌を深部へ押込む危険があるから注意すべきで、其結果として往々摂護腺炎や睾丸炎等を起こし、発熱、痛み等に苦しむのである。そうして淋病と雖も自然療法が効果あるが、それは水分を出来るだけ多く摂取する事で、これによって尿の排泄が頻繁となり、自然尿道を洗浄する事になり、危険もなく、治癒も速やかである。特に松葉を煎じ、それを飲むと一層効果がある。何となれば松脂の成分が淋菌の巣窟を閉遮し、繁殖を阻止せしむるからである。本医術によれば淋病、摂護腺炎、睾丸炎は容易に治癒するのである。
（天国の福音「花柳病」）