〔腎臓病について〕

【腎臓疾患】
o腎臓といふものは「物を洗ふ水の働き」をするものであります。それで心臓が熱を吸収して毒素を焼熱すると灰が出来るから、其灰の如なものを水で洗って流す。-それが腎臓の役目であります。ですから、毒物に中ると、非常に下痢をしたり、小便が沢山出る。其際尿は、腎臓が洗った汚水であります。
o腎臓はそういふ訳で、水の浄化作用の役目で、心臓は火の方の浄化作用の役目であります。ですから、心臓と腎臓は、重要な夫婦役になります。それで、心臓のシに濁りを打つと腎のジとなってゐるのも面白いと思ふのであります。
o又斯うも言へます。心臓は火、肺は空気、胃は土、腎は水の役であります。
o又、腎臓と肺臓が水で、心臓と肝臓が火の役とも言へるので、又、心臓が霊で肝臓は体、肺が霊で、腎臓は体とも言へるのであります。
o腎臓病にも種々あります。腎臓結核、萎縮腎、腎盂炎等であります。

【腎臓結核】
oよく萎縮腎を腎臓結核と誤られます。本当の腎臓結核は、右か左のどっちかの内部に水膿が溜結し、それが化膿して痛みを有つのであります。そうして、普通は膀胱へ移行するもので、非常に悪性で、小便に血液が混るのであります。
oそうして、膀胱結核から摂護腺(前立腺)、睾丸へ迄移行し、最後に到って睾丸は糜爛するのでありますが、こうなれば間もなく死に到るのであります。
〔浄霊箇所〕
肩、腎臓、微熱部

【萎縮腎】
o水膿溜結が腎臓を圧迫するので、腎臓は充分の活動が出来ないので、其の為尿が溢れる、其尿が毒素となり、又は浮腫になるのであります。
〔浄霊箇所〕
肩、背面腎臓部

【尿毒について】
o独逸の或学者は、「万病は尿酸が原因である」とも謂ってゐます。今も此説は相当認められてをるやうであります。リュウマチスで、赤く腫れないのは此尿毒が原因であります。私は之を腎臓性リュウマチスと言ってをりますが、非常に治り易く、此尿素は割合に弱性で、溶解し易いものであります。
o尿毒といふものは、凡有る病気になります。よく腎臓が悪くて肩が凝る人がありますが、これは矢張り、尿毒が肩に集る人であります。
o足が重倦く痛む人など、皆此尿毒が下の方へ垂溜する為であります。
o最も多いのは、尿毒が腹膜へ溜るので、そして其所で凝る。
o此尿毒は、肋膜、喘息の原因となる事もあります。ですから腎臓の為に喘息を起し、喘息の為に心臓病が起るんですから、間接には、腎臓が心臓病の原因になる訳であります。o腎臓の原因で脚気と似てゐる症状を起す事もあります。之は割合多いので、或は真の脚気より多いかも知れないと思ふ程で、足が重く腫れたりなどして、脚気の如な症状を起しますが、脚気とは全然異ふ。私は之を“腎臓脚気”と言ってをります。

【腎臓炎・腎盂炎】
o腎臓の周囲へ水膿が溜結すると、浄化作用によって発熱する。之を腎臓炎又は腎盂炎と言います。腎盂炎の症状は、腎臓部の痛み、腫れ、発熱等で、又特徴として脚力が無くなり、歩行不能になるのであります。
o症状は腰骨の上方、凹部の左右孰れか激痛を伴ひ、高熱を発するのである。此際尿中に多量の蛋白をみるのであるが、割合治り易い。
〔浄霊箇所〕
肩、腎臓

【慢性腎臓病】
o症状は浮腫、精力減退、倦怠感、肩の凝り、腰痛、足の重い等である。原因は腎臓部に毒素溜結し、腎臓が圧縮される為である。
oすべて腎臓病は、医学上では、尿中の蛋白によって診定するのであるが、尿中に蛋白のない腎臓病があって、寧ろ此方が有蛋白より多いのである。
o有蛋白の尿の排泄する患者の腎臓部には必ず微熱がある。然し、無蛋白の場合は腎臓部は無熱である。然し、其部には固結があり、圧痛を感ずるのである。
o故に、蛋白が排泄さるるだけは治癒しつつあるのである。従而、運動をする時蛋白が殖えるのは、浄化作用が旺盛になるからである。それに引換え無蛋白は、浄化作用が発生し得ない弱体者であるから治癒し難いので、斯ういふ患者は大いに運動して浄化作用を起せば治癒するのである。
〔浄霊箇所〕
肩、腎臓、尿道