先ヅ患者ノ患部ニ向ッテ一指又ハ二、三指ヲ用ヒテ軽ク触レ、又ハ極メテ軽ク指頭ニテ繰返シ繰返シ軽圧スル。時間ハ普通参拾分乃至壱時間トス。
右ノ指技ニヨリ人体電気ノ放射ト相俟ッテ血行ヲ促進セシメ新陳代謝ヲ旺盛ナラシム。元来患者又ハ弱体者ハ身体孰レカノ部分ニ必ズ大小濃淡多少ノ欝血部分アルモノナレバ、其部ヲ施術スルニ従ヒ欝血ハ漸次解消ニ向フヲ以テ、苦痛ハ軽減シ爽快感ヲ起シ全身的器能ハ活溌トナルベク、其結果トシテ病患ノ勢力ハ挫折衰退ニ嚮ヒ、弱体者ハ徐々ニ体質改善サレ行クハ、実験上瞭カナリ。従而医療ト併用スル場合聊カモ危険ナク補助的効果ハ鮮小ナラザルモノト思惟ス。
（昭和十二年八月四日）