湿性肋膜炎

之は「水」が溜るので、その「水」といふのは尿であります。ですから、発病して水が溜る際には尿の量が一時非常に少いのであります。発熱は大抵三十九度台が普通で、四十度を越す事は滅多にないのであります。 最初は非常に痛む。之は水が溜る為、膜に間隙を生ずるからで水が溜りきると、痛みが減りますが、その代り呼吸苦しくなるのであります。 特徴としては眩暈と盗汗、過眠等であります。特に呼吸苦しい事であります。それは、水が溜る為、肺が圧迫されるからであります。ですから『肋膜炎の息苦しさ』は『吸ふ息は長く、吐く息は短い』のであります。

専門家は、普通最初利尿剤を服ませますから、小水が余計出て一時快くなりますが、日を経るに従ひ『逆作用』が起ってきて、再び尿量が減り、水が溜るので、今度は止むを得ず、針で穿孔して水を除るのです。普通一合乃至三合位出るものであります。然し、水を除ってから、そのまゝ治ってしもふ事もありますが、また溜ってくる事もあります。

原因としては、腕を使ふ為に起る場合が多い。例へば、非常に力業をするとか、高い所へ手を挙げるとか、胸を打つとか、そういふ事が動機となるもので、器械体操など、上へ飛びついて力を入れる為、殊におこし易いのであります。又「自然におこる」場合もあります。肋膜の水が肺へ浸潤して、咳や痰が出る場合があります。最初はそういふ事はないが、少し長びくと、そうなるのであります。

〔浄霊箇所〕
肩、背面腎臓部、肋膜部

(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)