頭痛には、全体的頭痛と偏頭痛と、前頭部頭痛と後頭部頭痛とがあります。右の外慢性頭痛、頭重、眩暈、朦朧感、圧迫感等の症状もある。原因は、頭脳の微熱、毒血に因る場合と脳貧血に因る場合と二通りあります。毒血に因る場合は熱く、脳貧血に因る場合は冷たいので直ぐ分かる。また、どちらも嘔吐感を伴ふ事がよくある。もちろん原因は首の周りの固りが、脳の血管を圧迫するのが脳貧血であり、浄化熱が別の方である。
浄化熱の場合の症状は、世間非常に多いもので、時々痛む人と慢性的に休みなく痛む人とあります。原因としては、毒血が上昇して前額部から前頭部そして両こめかみ等に滞溜し、それの浄化作用が痛みとなるのであります。先づ患者の前述の部へ掌を宛ててみれば、必ず熱く感ずる。それは毒血のある證拠であります。それが浄霊によって冷くなるので、冷くなった丈は痛みが除れたのであります。
次に、脳貧血に因る頭痛は右とは反対であって、頭脳に血液が欠乏して痛むのであります。之は頸腺附近に水膿溜結し、頭脳への血液送流を妨げられるからであります。
慢性頭痛であるが、之は何が原因かといふと、最初、感冒(風邪)その他による発熱時に、頭痛に對し氷冷法を行ふが、之が主なる原因である。それは、発熱時には大抵頭痛がある。それは頭脳の毒結が浄化作用によって溶解し、流動を起すその為の痛みであるが、それを氷冷すると溶解が停止し、再び凝結する為、その再凝結に対して、緩慢な浄化作用が常に起こる。それが慢性頭痛である。故に、斯ういふ人の頭には必ず微熱がある。そうして、全頭部もあるが、前頭部又は後頭部又は一局部の場合もある。
後頭頭痛も、毒血又は貧血孰れかが原因でありますが、それは触査すればよく判るのであります。
此様に浄化にも固るのと溶けるのとの両方あるから、之は充分知ってをく必要がある。そうして今日多い神経衰弱も右のどちらかであって、之も放っておけば徐々として治るが、薬その他の方法で固めやうとするから、逆効果となって病気は益々昂進し、堪へられぬ苦痛の為、社会的に惜しい人でも自殺をする人が往々あるので、之等の人々は医療の被害者といってもいいのである。
之は少ない病気だが、心臓が元で脳に影響する症状である。それは心臓弁膜症などある人が、一寸した事で動悸と共に眩暈が起るので、之は何が為かといふと、心臓の周囲即ち胸部、横腹、肩胛骨下部等に固結のある場合、それに浄化微熱が発るので、心臓が昂奮し、頭脳に反射するからである。
次は歯に関する病気であるが、之は歯に付ける薬毒が滲透して、頭に上る場合、中耳炎の際の薬毒、扁桃腺や淋巴腺手術による消毒薬、眼病の際の点眼、注射、手術の消毒薬等が、頭脳迄も犯すので、右何れも慢性的頭脳の病原となるのであるが、其他に斯ういふ事もある。それは背部や胸部等に出来た腫物を手術した為、其時の消毒薬が頭脳に迄滲透し固まるので、その手術が局部の前部、背部の関係で、前頭部又は後頭部の悩みとなるのである。要するに上半身に於ける手術の際の消毒薬が、頭脳の病原になる事が分ればいいのである。
本療法に依れば、軽症で二三回、重症で二三週間で全治するのであります
〔浄霊個所〕
脳天、後頭部、耳下腺、頸部淋巴腺、肩、腎臓
(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)
(文明の創造 昭和二十七年)
(医学革命の書 昭和二十八年)