結石に就いてかいてみるが、最も多いのは胆嚢結石であって、之は胆嚢の中へ石が出来るので、その石が胆汁と共に胃に向って流入せんとする際、輸胆管通過が困難なのでそれが堪へられない激痛となるのである。従って医師も特に治療困難な病気としてゐる。近来細い針金様の機械を作り、咽喉から胃を通じて、捕捉し出すといふ事を聞いてゐるが余り効果はないやうである。石が一個の場合もあり、数個の場合もある。
処が石の小さい場合、通過下降し、腎臓にまで流入するので、腎臓内の尿素が附着し、段々大きくなってゆき、茲に腎臓結石となるのである。そうして困る事には、結石は腎臓活動の為、腎臓壁に触れて疵が出来る。そこへ尿が泌みるから痛みと共に出血するので、之を医診は腎臓結核といふのである。而も結石は漸次育ってゆき、余り大きくなると致命的となり、医療は手術によって片一方の病腎を剔出するのであるが、其時分は非常に固い石となってをり、之を細工をして指環やカフスボタン等に作られた物を見た事があるが、頗る光沢があって宝石に見紛ふばかりである。
また、小さい内膀胱に流入し、腎臓に於けると同様育ってゆく、之が膀胱結石である。処が最も困る事には、其石が膀胱の入口へ痞(ツカ)へる事がある。それをうまく通過しても、今度は尿道口に痞へる。両方共尿の排泄を止めるから、尿は漸次下腹部に溜り腫れるので、医師はブーヂを挿入するが、之も尿道口だけの閉塞なら奏効するが、膀胱口の方は仲々困難なので、遂に生命に関はる事となるのである。
茲で、最初の胆嚢結石の原因をかいてみるが、之は曩に述べた如く、腎臓から滲出する薬毒が、漸次上部に移行する際、胆嚢の裏面から胆嚢内へ滲透するので、其毒素と胆汁と化合して石となるのである。此場合は胆嚢の後部から水膿が入るんで、此膿は、最初脊髄から出て腰に滞溜し、それが脊髄から二寸位の右側を上昇して胆臓へ入るのである。したがって、之を治すには根本である背面腎臓部の毒結を溶解し、腎臓を活溌にさせ、余剰尿を作らないやうにする事で、それより外に方法はないのである。之を治癒するには、非常に運動して腎臓部に発熱を起し、其浄化作用によるより外治らないのである。従って本浄霊法によれば、割合簡単に石は分解され、砂の如くなって、尿と共に排泄されるので、短期間に全治するのである。
胆石で五年位苦しんでゐる患者が、四、五回の治療で治ったのがありましたが、此患者は脊髄の右側から胆嚢の後あたりまで水膿が棒のやうに溜っており、又、腰にも溜ってゐて、腰が非常に冷えるのであります。すべて水膿は非常に冷えをよぶものであります。それで棒のやうになった水膿溜結を溶いたら、胆石病はピタリと治ったのであります。尚、黄疸は、肝臓部に塊がありますから、これを治療すればいいのであります。
〔浄霊箇所〕
肝臓部、背面腎臓部
胆石病(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)
肝臓、胆嚢、膀胱の結石(文明の創造 昭和二十七年)
眼、耳、鼻、口(医学革命の書 昭和二十八年)