著述編

地上天国

巻頭言

抑々、吾等が唱える彌勒の世とは如何なる世であるかというと、それは甚だ簡単である。即ち、正しきものが栄え、正しからざるものが滅びる世をいふのである。処が、今日迄の世界をみると、凡眼には悪がはばり、善が虐げられるるように見えるのである。よくいう...
地上天国

悟りと覚り

単にサトリといっても二種ある。即ち標題の如き悟りと覚りである。処で此二つのサトリは意味が非常に違ふ、寧ろ反対でさえある。悟の方は消極的で、覚の方は積極的ともいえよう。仏教に於ても等覚、正覚、本覚などといひ覚の方をいふが、事実はそうでもない。...
地上天国

狐霊に就て

「日本人と精神病」の項目に述べた如く、前頭内の貧霊は必ず不眠症の原因となる事は勿論で、それは右側延髄部附近に固結があり、それが血管を圧迫するからである。又狐霊が憑依する場合、前頭部を狙ふのは曩に述べた通りで、前頭内は人体を自由に支配出来得る...
地上天国

巻頭言

今度帰朝した社会党々首片山氏の言によれば、欧洲では今キリスト教が盛んだとの事だ。之は全く人心自ら宗教を求めざるを得ない事になった為であらう。勿論唯物文化が如何に進歩発達しても、人類福祉を増進する事は不可能といふ事に目覚め始めたからでもあらう...
地上天国

巻頭言

今日の世相をみるに、安心して生活し得るものは幾人もあるまい。事ほど左様に社会悪が満ちてゐる。今日唯物主義者等は、吾々を目して迷信といふが、面白い事には彼等と雖も、いつ何時病気に罹るか判らない。その場合高い金を払って、医者や病院に御百度詣りし...
地上天国

本教と天国化運動

本教の最大目標たる病貧争絶無の世界とは言ふまでもなく全世界をして、天国化する事である。それには先づ個人を天国化し、家庭を天国化し、社会を国家を、終には全世界を打って一丸としたる天国化であって、之こそ凡ての宗教が理想として未だ達し得なかった処...
地上天国

巻頭言

中国の共産化によって予期した事とはいひ乍ら、日本も安閑として居られなくなった昨今、その萌芽は已に各方面に表はれ始めたようである。こゝ暫くは共産反共産、の摩擦は免れ得ないであらう。此渦中にあって凡ゆる宗教は如何なる動きを見せるであらうか、実に...
地上天国

時の神様

一切万有人事百般、時の神様によって支配されないものは恐らく一つもあるまい。興亡常なき歴史の推移も、善悪正邪の決定も、時の神様から離れて存在するものはない。そういふ意味で今日善であったものが、何年かの後には悪となり、今日真理としたものも何年後...
地上天国

半文明時代

何人と雖も、現在は最も進歩せる文明世界と思ってゐる。成程野蛮未開の原始時代に比ぶれば、確かに高度の文明を形造ってはゐるが、それは唯物的の半面であって、唯心的には半野蛮を出でないといっても恐らく否定は出来得まい。事実古代から人類は常に戦争の為...
地上天国

巻頭言

熟々世相を観ると、為政者の歎声を発する事も無理ないと思ふ程その余りに社会悪に満ちてゐる事である。敗戦国であるからと言ってしまえばそれまでだが、吾等は到底晏如たる事は出来ない。勿論心あるものは何とかしなければならないと思ってはゐるが、扨てどう...