著述編

結核の革命的療法

無機質界

茲で、愈々細菌発生の順序をかくが、抑々細菌という有機物は、現在最も進歩した原子顕微鏡でも、六万倍迄しか見えないとされている。之が現在迄の限度ではあるが、無論極点ではない。としたら何れの日か顕微鏡の発達は、超微生物を捕捉出来るに到るであろう事...
結核の革命的療法

病原としての細菌

近代医学に於ては、病原の殆んどは細菌とされている。従って細菌の伝染を防ぎさえすれば、病に罹らないとする建前になっているが、一体細菌というものは、如何なるものであるか、之が徹底的に究明されなければならない。即ち細菌とは何の理由によって、何処か...
結核の革命的療法

栄養

私は前項迄に、薬剤の恐るべきものである事を、詳説したから最早判ったであろうが、茲に見逃す事の出来ないのは、栄養に関する一大誤謬である。先づ結核の項に動物性蛋白の不可である事を述べたが、之ばかりではない。全般に渉って甚しい錯誤に陥っているのが...
結核の革命的療法

結核と特効薬

結核の薬位、次々と出るものはあるまい。近年になって、セファランチン、ペニシリン、ストレプトマイシン等々随分もてはやされた。恰度何かの流行のようである。此様にそれからそれへと新薬が出るという事は、勿論前に出たものより効き目がより高いからであろ...
結核の革命的療法

自然を尊重せよ

医学では、安静を最も重要とされているが、之は前に述べた如く、大変な間違いである。ではどうするのが一番いいかというと、何よりも自然である。自然とは自分の身体を拘束する事なく無理のないよう気儘にする事である。例えば熱があって大儀な時は、寝ろとい...
結核の革命的療法

結核と精神面

結核に就て、割合関心を持たれていないものに精神面がある。処が事実之程重要なものはない。誰も知る如く一度結核と宣告を受けるや、如何なる者でも精神的に一大衝撃を受け、前途の希望を失い、世の中が真暗になって了う。言わば執行日を定めない死刑の宣告を...
結核の革命的療法

肺患と薬毒

現在の結核療法に就て注意すべき事は、今最も有効とされているものに気胸療法がある。之は肺に空洞のある場合、肺胞を萎縮させて出来るだけ縮小させようとして肺の活動を鈍らせる。つまり肺の安静法で、その為空洞の原因である濃度の喀痰も固まると共に、空洞...
結核の革命的療法

肺炎と結核

寒冒と最も密接な関係ある病気としては、言う迄もなく肺炎と結核であろう。特に現在日本に於て、最も悩みとされているものは之であるから、充分解説する必要があろう。抑々肺炎と結核といふ病気の初因は、勿論寒冒からである。というのは前項に述べた如く、折...
結核の革命的療法

病気とは何ぞや 寒冒

人体を物質と見做して、唯物療法を進歩させて来た医学は、どの点に最も欠陥があるかを、順を逐うてかいてみるが、それに就ては先づ、実際の病気を取上げて説明してみるのが、最も判り易いからそういう事にする。先づ、人間として、何人も経験しない者のない病...
結核の革命的療法

医学の解剖

私は前項迄に、医学の誤謬を大体かいたつもりであるが、尚進んで之から鋭いメスを入れて、徹底的に解剖してみよう。と言っても別段医学を誹謗する考へは毫末もない。只誤りは誤りとしてありのまま指摘するまでの事であるから、虚心担懐になって読まれたいので...