茲で結核に大関係ある肺炎に就いてかいてみるが、此病気は結核の原因と同様、感冒の際肺臓の内外に固めた多量の毒素に、猛烈な浄化作用が起るもので、つまり感冒の重いのと思えば間違いない。そうして症状は人も知る如く、最初高熱が出て全身的倦怠感、節々の痛み、食欲皆無、頭痛等であるが、此病気の最も著しい症状は咳嗽、喀痰、喘音で、特に喀痰が頗る多量に出るが、勿論之は固結した多量の毒素が高熱によって急激に溶解され、肺臓内に引っきりなしに浸入するからである。従って苦しくとも少し我慢して、其儘放っておけば、痰は出るだけ出て一週間位で治り、予後は大いに健康を増すと共に、再発の憂いはないのである。処が之に未知な医学は、折角の浄化活動を停めようとして、凡ゆる手段を行う。特に此病気には強い薬を用うるのは医師も知る通りで、之は全く猛烈な浄化を抑えんが為である。
此様に猛烈な浄化に対し、強烈な薬剤を用いるので、激しい摩擦が起り、非常な苦しみと共に、高熱、咳嗽、食欲不振等が執拗に続くので、愈々衰弱が加わり生命に迄及ぶのである。又此病気が青壮年に多いのも、浄化力が強いと共に、年齢の関係上薬毒も相当多量に入っているからである。そして全快後も再発し易いとして、医師は大いに注意を与えるが、之なども浄化停止の為古い毒と新しい薬毒とを残すからである。そこで患者は再発を恐れて、出来るだけ大事にするから、再発はしない迄も、緩慢な浄化が常に起っているので、医診を受けると結核初期の疑いを受け、それに対応する療法を始められるので、之なども実によく医学の誤謬を物語っているのである。 次に結核の原因中最も多いのは、彼の肋膜炎であろう。之にも湿性と乾性と膿性(膿胸)との三種がある。湿性は肺を包んでいる膜と膜との間に空隙が出来、そこへ水(尿)が溜るのであるが、近来流行の気胸療法は人為的に肋膜に空隙を作るから、湿性肋膜炎が起り易いのである。又乾性は激痛があり、空隙だけで水が溜らないとしているが、之は滅多にないもので、最初乾性であっても、日を経て湿性になり易い。之に就ても医師がよく間違える事がある。それは肋骨の裏面に毒結があり、其浄化の痛み、即ち肋間神経痛を乾性と思うのである。そうして単に肋膜炎といっても、湿性が殆んどであるから、湿性に就て詳しくかいてみよう。
湿性とは最初膜と膜との間に尿が溜る際、相当高熱と痛みと懈さと眠さ、息苦しさがあり、特に盗汗が特徴である。之も放っておけば水は喀痰、盗汗、尿などで排泄され、割合簡単に治るが、医療は穿孔して排水させるか固めるかどちらかの方法を採る。併し穿孔排水も一時的で、日が経つと又溜るので、結局固める事になるから、必ずと言いたい程再発する。又膿性は水ではなく膿が溜るので、医療は穿孔して排膿させるが、此膿は脊髄カリエスの如く、其多量なる驚くべき程で、難症になると毎日のように排膿があり、一、二年に及ぶ者さえあって、そうなったのは無論衰弱死に至るのである。そうして湿性肋膜の長引いたのが結核となるのは人の知る通りで、右の如く医療によって固めた尿水は、早くて数ケ月、遅くて二三年位で必ず再発する。此時の症状は最初の肋膜炎と同様であるが、今度は固まったものが溶けるので、咳と痰か頻繁で衰弱が早い為、医師は悪性結核と診断するが、之も放っておけば長くは掛るが、喀痰、盗汗等が出るだけ出て、全治するものである。
(結核信仰療法 昭和二十七年十二月一日)