天然痘

茲で天然痘に就て詳しくかいてみるが、此病気の原因は先天性毒素の為であって、此毒素は勿論親譲りのものであるが、此原因も薬毒が代々の祖先を通じて遺伝したものである。医学では毒素の濃厚なのを遺伝梅毒といい、民間で昔から胎毒というのもそれである。処が此毒素が浄化作用によって天然痘となり、皮膚面から排泄されようとする。之を怖れて解決したのが彼の有名な英国の医学者、エドワード・ジェンナー氏であって、一七九六年種痘を発見したのである。

之によれば天然痘が発病しない為、人類に救世主の如く今尚仰がれているのであるが、実をいうと種痘によって、天然痘毒素は消滅したのではなく、毒素の浄化力を弱めた迄で、然毒は依然として其儘体内に残存する。之は医学でもいう如く、種痘の効果は或期間だけとしているのは其為である。併しそれだけならいゝが、此残存毒素が凡ゆる病原となり、特に感冒の原因ともなるので、間接的には結核の原因とも言えるのである。之に就ては今から数十年程前、仏蘭西の或学者が種痘法施行後、結核が殖えたという説を唱えたが、余り関心を有たれなかったとみえて、立消えとなったようである。勿論余りハッキリしていない結核よりも、ハッキリして醜い痘痕を残す天然痘の方を怖れたからであろう。

そうして今一つ気の附かない一事がある。それは彼の疥癬という皮膚病であって、人も知る如く全身的に湿疹が出来、猛烈な痒みがあり、激痛の加わる場合もある。重症になると豆粒大の紫黒色のブツブツが皮膚一面に表われ、其状態は天然痘そのまゝであるから、先ず慢性天然痘といってもいゝものである。而も此病気は非常に長くかゝり、軽くて一、二年、重いのになると五、六年に及ぶ者さえある。従って一、二週間で済む病気を、種痘の為に何十倍にも延ばす訳である。

処が本教浄霊によれば、如何なる重症天然痘でも簡単に治り、菊石(アバタ)など決して残らないのであるから、何と素晴しい療法ではあるまいか。それに就ての好適例を左に挿入してみよう。


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 (本文省略)

(結核信仰療法 昭和二十七年十二月一日)