年頭の辞

愈々昭和も二十七年正月となった。実に月日の流れは早いもので、我メシヤ教も何や彼やと世の注目を引くと共に、色々本教の迷惑になる問題などもあり乍ら、兎も角月日の経つに従って、発展しつつある教勢は、全く大神の絶対なる御力の賜物でなくて何であろう。

飜って世界の状勢を熟視する時、誰が眼にも映る通り、暗雲覆い被さり、いつ何時風雨雷鳴渦巻く場面が来るやも、計り難い無気味な空気が漂っている。処で之等を宗教眼を透して霊的に視る時、大神の経綸の着々として進みつつある事がよく窺われるのである。というのは私がいつもいう通り、夜の文明が昼の文明に転換せんとする、其過程としての動きであるからで、之を具体的に言えば、長年月の間全人類を支配していた処の、物質文化も掌の反るが如く位置転倒し、第二義となって、精神文化が勃興し、之が支配的となるので、慶賀に堪えないのである。

次に旧臘(ｷｭｳﾛｳ)来朝したダレス氏の言の中に、面白い一節があった。それは東洋の代表者は日本であり、西洋の代表者は米国であるから、之からは両国が緊密になって、平和を守らなければならないという意味を強調された事である。之は私がいつもいう通り、経の中心は日本であり、緯の中心はアメリカであって、何れは経と緯が結ばり、それから真の文明が生れるという其説と一致しているではないか。とすればそろそろ米国の有識階級にも、そういう考え方が兆(ｷｻﾞ)して来た事が窺われるのである。此様な訳で段々私の予言している事が、全世界の動きにも現われ、誰が眼にも映る事となるであろうから、注意されたいのである。

（栄光百三十七号　昭和二十七年一月一日）