腎臓から発生した尿毒が肩部に集溜し、尚進んで頸部淋巴腺附近に移行する。それが浄化作用によって、歯齦から浸出排泄されようとするのである。其際血液も混じるが、それは尿毒が血液中に混入して排泄せらるるのである。淋巴腺附近の毒素が、歯茎を目掛けて集溜し、血膿となって排泄されやうとする一種の浄化であるから、私は斯んな汚ないものはないといふのである。それは元々尿の古くなったものが、口中から出る訳だからである。之を治すのは訳はない。歯茎を固いブラシで摩擦すれば、血膿が出るだけ出て、それで治って了ふものである。私が治療の際、腎臓、肩部、淋巴腺及び頬歯齦の周囲等を外部から治療するに於て、悉くの患者を全治したのである。
之は、歯根から血膿が出るのですから「軽い歯槽膿漏」は誰でもある訳であります。之も右か左か、どっちかが余計出るものであります。世間では恐るべき病気とされており、中には「梅毒」だなどといふのもありますが、そんな事はないのであります。上顎か下顎の辺を外部からおしてみると、痛い所があるので、そこに水膿や汚血が溜結してゐるからそこを浄化すると共に、頸腺部等又は顔面特に頬の辺に痛む個所が必ずあるもので、その個所を浄化すれば、水膿は溶けて治るのであります。
治療は、普通二、三週間、重症で一、二ケ月を要す。
〔浄霊箇所〕
歯茎、淋巴腺附近、肩、根本は腎臓。
(文明の創造 昭和二十七年)
歯槽膿漏(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)