麻疹

此病気は、人間が生れながらにして保有せる一種の毒素が、皮膚面から排除されるもので、発病及症状としては、早くて二、三日、遅くて十日間位発熱が持続し、遂に皮膚面に発疹をするのであります。従而熱が持続し、他に異常の無い場合は、麻疹の疑を起すと共に注意して皮膚を見るべきであります。其際よく軽微の発疹を見る事があります。又口内の粘膜に白色の疹を見る事があります。
恢復期には、眼の爛れ、耳垂等も起りますが、之は麻疹の毒素の集溜的排除でありますから、放置してをけば自然に治癒するのであります。
そして余病として、肺炎を起し易いのでありますが、之は容易に治癒するので、普通麻疹のみとすれば一回乃至三回位、肺炎併発のもので五、六回位で全治するのであります。(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)

次に麻疹の際肺炎を併発する事がよくあるが之は何でもない。只呼吸頻繁の為驚くが、之は麻疹が肺胞に表はれ肺の容積が減る為で、其儘にしておけば二、三日で必ず治るものである。