著述編

明日の医術

種痘は如何にすべきや

私は、国民体位の低下と、凡ゆる病気は種痘が主なる原因であるといふ事を説いたのであるが、然らば、種痘を直ちに廃止すべきやといふに、それは勿論困難である。何となれば、折角天然痘疾患を免れ得てゐる現在の人間が、再び天然痘に罹病するといふ事は、堪え...
明日の医術

薬毒

今日迄、西洋医学に於ては二千五百年以前ヒポクラテス創始の医道以来、又支那の医祖伏羲が、五千年前創始せられた医道は固より其他幾千万の病気療養の方法は尽く浄化作用停止又は一時的苦痛軽減の方法以外には出でなかった事は再三述べた通りである。そうして...
明日の医術

体位低下の真因

以上各般に亘る統計によって、我国に於ける国民体位の低下が如何に寒心すべき趨勢にあるかは了解された事と思ふ。そうして第一篇に於て詳説したる如く根本原因は勿論種痘及び薬毒である。そうしてその種痘なるものの本来の目的が天然痘疾患を防止するといふの...
明日の医術

国民体位低下の問題

人口問題に関聨して切離す事の出来ない重要問題として国民体位低下問題がある。之に就てその趨勢を示してみよう。昭和十一年六月、当時の陸軍大臣寺内大将が国民体位低下の問題に対し、国民保健衛生に関する国策樹立を進言された結果つひに厚生省設置といふ事...
明日の医術

乳幼児の死亡率問題

肺結核に次いで、乳幼児の死亡率は人口問題の重要部門である。然らば現在の趨勢はどうであらうか、左に示してみる事にする。昭和十二年に於ける本邦総死亡数は百二十万七千八百九十九であって、その中乳幼児(就学前)の死亡は三十九万七千八百七十である。乳...
明日の医術

結核は絶対に感染しない

今日、結核は伝染するものとして非常に恐れられてゐる。それが為種々の方策が講ぜられてゐるが、其繁雑極まる事と国家及び個人の負担の莫大なる事等は実に驚くべきものがある。故に何人と雖も其伝染を恐れ親子夫婦と雖も親しく接近し語り合ふ事さへ医師から禁...
明日の医術

肺結核

此病気の現在日本に於ける趨勢は右の如くであるにみて、如何に急迫せる状態にあるかといふ事である。読者よ、何故肺結核が斯の如く増加しつつあるかといふ事は、私の発見によれば其原因が全く現代医学の誤謬に在るといふ事である。それは、現代医学の結核防止...
明日の医術

結核問題とその趨勢

人口問題に対して最も重要なるものは結核問題であらう。結核に就ての状態は如何であらうか、各種の調査資料によって示してみよう。(時局の為か此数年間の調査発表なく以下の資料は昭和十一年頃までにて遺憾乍ら止むを得ないのである。)世界の主要文明国での...
明日の医術

病気の真因

凡そ人間が此世の生を受けるや、遺伝毒素即ち最初に述べた天然痘毒素を主なるものとして種々の毒素を保有してゐる事は前項に述べた通りである。そうして之等の毒素の支障によって健康が完全に保持出来得ないから、体外に排泄せらるべく絶えず自然浄化作用が行...
明日の医術

人口増加率低減の問題

以上示した処の各国の統計によって現在日本及び世界の人口問題の趨勢は略諒解された事であらう。そうして要約してみると次の二点に帰するのである。一、ヨーロッパに於ては十九世紀中葉以後日本に於ては大正十年以後増加率低減が始まった。二、死亡率減少と増...