岡田茂吉

信仰雑話

プロテスタントとカトリック

私はキリスト教に就て少しく話したい事がある。それはプロテスタントの無教会主義と、カトリックの教会主義との意見の相違である。無教会主義とは読んで字の如く『教会を必要としない、聖書一本で進むべきである』というに対し、教会主義は「キリスト昇天後教...
信仰雑話

見神に就て

忘れもしない。私が宗教研究を始めて間もない頃であった。或中流家庭の廿歳になる娘が、肺病の為、数年間療養生活を続けて来たが、どうしても治らないので、私は頼まれた。当時大本教信者であった私は、鎮魂帰神なる方法の下に霊治療を行ったのである。二三週...
信仰雑話

神は在るか

此の問題に就いては昔から今日迄論議されていて、未だ解決は付かないが、之に就て先づ私自身の経験をかいてみよう。といふのは私は三十二三歳の頃までは極端な無神論者で、神社の前を通っても決して礼拝をした事がない。その理由は斯うである。凡そ神社の神体...
信仰雑話

神と仏

昔から神仏同根といふ言葉がある、それに就て私は解釈してみよう。釈尊に向って一弟子が「仏法を一言で言ひ表はされたい」と御質ねした処、釈尊は即座に『仏法を一言にしていへば真如である』と申された。真如とは真如の月、即ち夜の光明という意味であろう。...
信仰雑話

東洋と西洋

天地間凡ゆる物に、陰と陽のある事は誰知らぬ者もない。そうして私は此陰陽を経緯(タテヨコ)に別けてみるが、陽は経であり、陰は緯である。この経緯を左に分類してみよう。経--日、火、東洋、霊、男、仏教、 赤、山、昼緯--月、水、西洋、体、女、基(...
信仰雑話

家相方位

私は家相方位に就てよく質問されるから、大略を書いてみるが、人間には人相という事がある如く、家にも家相があるのは当然であろう。人間も人相の善し悪しによって運不運に大関係のある如く、家相も善い悪いによって運不運に影響するのである。私の説く家相は...
信仰雑話

十干十二支の弁

十干十二支に就て私はよく質かれるから、茲に大略説明する。十干とは木火土金水の五行に対し、一干を陽と陰、即ち兄と弟に分ける。兄をエといゝ、弟をトという。例えば木の兄は甲(キノエ)であり、木の弟は乙(キノト)である。昔から世間で兎や角いう丙午(...
信仰雑話

地球は呼吸する

凡ゆる生物は呼吸してゐるという事は誰も知ってゐるが、実は植物も鉱物も其の他万有は悉く呼吸してゐる。そうして地球も呼吸してゐると言ったら、一寸意外に思うかもしれないが、左に説く処によって成程と肯くであろう。抑々、地球は一年に一回呼吸する。息を...
信仰雑話

地震に就て

此の稿は昭和廿三年六月廿八日、福井市を中心として大地震があった直後、参考の為地震に就ての私の所説を書いたのである。抑々、神道の天地創造説によれば、宇宙太初(ウチュウノハジメ)は水蒸気のような水泡のような物質であったが、創造的活動が開始され...
信仰雑話

科学の力

現代人は如何なる問題と雖も、科学によって解決せられざるものはないように言い、科学は万能薬のように思われてゐるに対し私は質問したいのである。それは道徳は、芸術は、恋愛は、科学によって解決出来るだらうかという事である。今仮に科学によって道徳上の...