『憂鬱感には、種々の原因と種々の症状があるが、最も多いのは頸部及び肩の凝りに因る事である。之は、其項目にある如く、凝りの圧迫によつて脳への送血が減少し、脳貧血になる為である』 (明日の医術 第二篇「憂鬱感及び麻痺と痙攣」より)
『殊に面白いのは嬰幼児の場合である。之は常に機嫌悪く憤かるが、医学では全然判らない。よく虫気の為などといひ虫下しや禁厭などを行ふが、之等は迷信にすぎないのである。私の経験によれば大部分は肩の凝りからである。嬰児のくせに肩が凝るとは不思議に思ふが事実である。何となれば肩の凝りを解消するや、忽ち機嫌が治り普通状態になるからである。其他頭脳の一部又は全部に浄化熱がある事もあり、霊的原因による事もある。麻痺は種々あるが、最も多いのは脚気である。(中略)其他の麻痺としては手指、及び足指、足の甲が多いが、之は主に注射の薬毒である』
(天国の福音「憂鬱症及び麻痺」より)
『手術後疵が治癒してから、其付近に麻痺のある事がある。(中略)痙攣には二種の原因がある。一は、最も急激な浄化作用であって、それは急性高熱の場合で特に脳疾患に多いのである。又、胃痙攣、腸痙攣等も急激の浄化作用である。そうして、幼児の痙攣の場合、その苦悩の強烈なる為、危険をさえ感ずるのであるが、痙攣が致命傷となる場合は殆んど無いといってもいいので、大抵は時間を経れば回復するものである』
(明日の医術 第二篇「憂鬱感及び麻痺と痙攣」より)
(浄霊の個所)
ゆううつ感は、頸部および肩、とくに腎臓部を浄霊します。まひは、腕、手指の場合は腕のつけ根および患部を浄霊します。脚の場合は鼠蹊部、腿と患部を浄霊します。手足のけいれんは頭部、肩および患部を浄霊します。手足がわるい場合でも原因は肩にあることが多く、浄霊して肩のかたまりが溶ければ手足のけいれんも楽になります。
(新田博士のコメント)
日本医術では、「憂鬱感には、種々の原因と種々の症状があるが、最も多いのは頸部及び肩の凝りによることである。これは、その項目にあるごとく、凝りの圧迫によって脳への送血が減少し、脳貧血になるためである」とありますが、医学的に見た場合、憂鬱感は、必ずしも悪い症状とばかりはいえません。といいますのも、ある程度の憂鬱感は正常な精神反応であるからなのです。憂鬱にならなければならない原因があって、憂鬱に感じるのは当然であり、その時憂鬱にならないのはかえって異常なわけです。
精神病の憂鬱は鬱病といいますが、異常にはしゃぐのと鬱とをくりかえす精神病を躁鬱病といいます。この場合に、一番程度の軽いのは循環気質、それよりすこし重くなると循環病質、さらにひどくなると躁鬱病という精神病となるわけです。原因はわかっていません。
また、日本医術では、「まひの中で一番多いのは脚気である」とされていますが、この論文が書かれた当時(昭和二○年代)は、そうであったと思いますが、現在では脚気はほとんど見られなくなりました。(但し、インスタント食品の普及によって最近は再び見られるようになってきています)。
医学的に見て、まひの原因には、脳出血、脳梗塞、伝染性小児まひ(ポリオ)、炎症、神経系の変性、薬物中毒、腫瘍による神経の圧迫、心因性まひ(ヒステリー)等があります。