第四節、幸福への道

『抑々人類を救うべき其根本は、人類残らずを霊肉共に健康体にする事である、之さえ成功するとすれば、私の唱える病貧争絶無の世界は必ず実現するに決っている、いつもいう通り、貧乏の原因も病気であり、個人の争いも、国家間の戦争も、残らず其原因は個人々々の病気にあるのである、然し一口に病気といっても体的ばかりではなく、霊的の病気もあって、戦争の原因と雖も、勿論此霊の病気にあるのである』(栄光一二九号「医学の革命」より)

『吾等の終極の目的は、天国的理想世界を造るにあるのだから、肉体の健康のみでは本当ではない。肉体の健康と共に精神的健康たり得なくてはならない。所謂、霊肉一致の完全人間を作ることである。このような完全人間の増加によって、ここに地上天国は形成されるのである。愈々、天の時来って、艮の宗教として出現したのが本教であることは、右によってみても肯き得るであろう』(神示の健康「一人対一人では駄目だ」より)

“霊肉共に健康”な人とは言うまでもなく、真の意味での幸福者を意味しています。病気の無い人間、病人のいない家庭が私達の身近な地域社会の中に増えていくことによって地上天国が現実化していくのです。地上天国とは、決して遠いところにあるのではなく、明主様によって創成された「日本医術・浄霊」が一人でも多くの人に研究され、理解されることによって目の前に迫ってきます。何千年来、人類が要望してやまなかった“幸福への道”は既に拓かれているのです。

主神の御経綸の中に位置づけられる浄霊については先ほど触れましたが、真の文明世界実現の要となる“霊の曇りの解消”と“魂の浄化”については、これを私達自身の日常生活の中でどのように図っていくかということが大切であり、この点についてここで触れておきましょう。それらはすべて、総論一、二を通して学んできた大自然の実相や霊主体従といった、明主様が神霊研究によって得られた成果を基礎として説かれており、人間の処世上大切な事柄なのです。“魂の浄化”に日常の中で取り組むことによって、無病息災、歓喜法悦の生活への道が開かれてくるのです。

『魂の浄化とは、其人が正しい信仰を把握し、其行を実践するのでなくては徹底しないのであって、其行が観音行であるのであるから、其所まで行けば罪穢の発生は全然無くなり、反対に徳を積む人となるに由り、無病息災所か歓喜法悦に満ちた生活が出来、福徳長寿の幸を得て、一家弥栄える事になるのである』(神示の健康「病気の本体は魂なり」より)

あまたある明主様のご論文の中から、魂の浄化につながる心のあり方を説かれた教えを幾つか紹介いたしますと、
  『時は神様』
  『時期を待て』
  『順 序』
  『常 識』
  『正直と嘘』
  『私というもの』
  『観音信仰』
  『優しさと奥床しさ』
  『幸福の秘訣』
  『人間は想念次第』
等々があります。他にも人間の生き方にとって大切となる教えは沢山あります。「天国の礎」をはじめとした既刊の論文集に日頃から親しみ、これまで学んできた「日本医術・浄霊」の土台となっている比類なき、壮大な思想、哲学との関連を常に考慮しながら、浄霊の深さ、広さに対する理解を深め、かつ心の糧として学んでいっていただきたいと思います。これを単なる道徳的な内容として受け止めるのではなく、個人にとっては魂の浄化を促進し、本当の意味での幸福を得ていくためのものであり、大きくは真文明創造のための具体的な取り組み課題と言えるものであります。