第五節、微熱について

 ここで、緩慢な浄化作用でありながら、個人的にも社会的に多大な影響を及ぼしており、決して軽視できない微熱というものについて採り上げてみましょう。

『此微熱というものは、現代人にない人は恐らくあるまい。唯意識しているといないだけの相違であろう。処が此微熱なるものは、案外人体に対して大きな影響を与えているもので、それを今かいてみよう。先ず頭痛、頭重は固より、精神集中力も乏しく、散漫となり、記憶力が減退し、根気がなく、何かにつけて億劫がり、始終体が重懈く、兎もすれば寝転びたがる。又食欲も薄く、好き嫌いが多く、水気のものを好み、飲料を欲しがり、性質も怒り易く、気が塞ぎ世の中が面白くなくなるから、悲観的に物を考えたがる。ヒステリーも之であって、凡てが消極的で、晴天の日よりも雨天の日を好み、風邪を引き易く、鼻が詰ったり、耳鳴がしたり、扁桃腺炎が起り易い。又急いで歩いたり、坂を上ったりすると息切れがし、足が重くなる。という訳でザッとかいただけでも此位だから、仲々馬鹿にはならないものである』          (神示の健康「微熱というもの」より)

 このように精神的にも肉体的にもマイナス傾向が出てくるわけです。さらに、人生を歩む中で重要な人間関係にも影響を与えます。

『凡てがそんな訳だから友達付合もよくない。人々と円満にゆかず、家庭にあっては夫婦仲も悪く親子兄弟達ともしっくり合わず、いつも自分の言い条を通したがり、自分の行いに理屈をつけて気儘勝手な振舞をする。此場合自由主義などは最もいい口実である。そんな訳で家庭が面白くないから、どうしても忌わしい事が起り易い。近来家出娘や家出息子の多いのも、そんな為もあろう。酷いのになると一家心中という破局的運命にまで陥るのも、右の原因もあるであろう』
                     (神示の健康「微熱というもの」より)

   さらに社会的な影響については次のように述べておられます。

『そればかりではない。之を社会的にみた時、多くの人は夫々自分勝手な理屈をつけたがるので調和も欠け、詰まらない事でも直きに議論となったり、争わずに済むような事でも争いたがる。之等も余りに自分本位の為であろう。之等は政治方面に多い様である。又団体内で一つの問題を討議する場合等、どうもヤッサモッサが多すぎ、一致点を見出すには仲々時間が掛るのである。としても世人は其原因には気が付かないよりも、余り関心を持たないようである。
 処がまだある。右のように何だ彼んだと五月蠅い社会としたら、人々は気持のいい事より悪い事の方が多いので、何かしらで紛らそうとする。そこで酒とくる。酒の売れ方が幾ら高くなっても少しも変らないのは、其為でもあろう。それ以外苦悩から脱れようとして刺戟の強い快楽を求めたがる。若い者はキャバレー、ダンスホール、パチンコ屋や又変な方面へ走ったりする。年輩者は年輩者で、少し余裕のある人は、お妾や花柳界に慰安を求めようとする。此様に何も彼も不健全な娯楽が旺んであるのは、今日の世相である』
                     (神示の健康「微熱というもの」より)


『以上の如く凡ゆる悪の面の根本原因は全く微熱が最大原因としたら、微熱程恐ろしいものはないのである。
 では微熱の原因は何処にあるかというと、全く人間体内にある薬毒の為であって、それが各局部に溜結しており、緩慢な浄化作用が起る為で、之を本当に治すとしたら、浄霊以外絶対ないのである』           (神示の健康「微熱というもの」より)