一、頭脳の重要性について

本来人間の体内にあってはならない毒素は、神経を使う局部に集溜するものであるということについては先程学びました。頭脳中にも結構保有毒素があるということを認識しておく必要があります。

『小児時より学校教育を受ける関係上、毒素は頭脳特に前頭部に集溜する。元来人間の頭脳は理智的活動機能は前額部に、感情的のそれは後頭部にある』

『然るにその浄化発生としての感冒を浄化停止、薬毒追増、多量の毒素固結といふ訳で、而も霊界に於ける火素増量は漸次著しく、為に猛烈なる浄化発生』
(天国の福音「頭脳の重要性」より)

となるわけです。

そうして明主様は、一般にはちょっと気のつかない頭脳に関係した浄化発生の例として疥癬、肺結核、喘息、原因不明の熱性病等をあげておられます。

『近来新しく流行し始めた病気に疥癬及び重に掌の表裏、脚部上方より下方、足の甲、指等に、小は丸薬位より、大は大豆位のやや隆起せる白膿色粒が点々又は無数に出来、その一つ一つが痛むといふ症状がある。その痛みにも軽重の差あり、悪性は激痛堪え難く、患者は懊悩呻吟するのである。そうして疥癬は赤色の小粒が全身的に無数に現はれ、掻痒苦甚しく、為に睡眠不能に陥るものさへある』

『以上二種の病気に対しその原因を説くが、之は頗る意外とする所に病原がある。それは二者共その病原が頭脳にある事である。(中略)頭脳にある固結毒素の浄化で、それが溶解流下し、掌の表裏又は手指の皮膚を破って排出せんとする』

『此症状の毒素は三種に別けられる。即ち疥癬である赤色小粒は大体陰化然毒であり、それに蕁麻疹的薬毒の混合を見る事もある。豆状白膿色粒は洋薬毒の為激痛である。今一種は軽痛又は無痛で、特に壊疽状を呈し、皮膚は一面暗黒色となり、周囲に軽度の浮腫を見るが、此毒素は私の考察によれば癩毒と判断せられる。それは彼の癩症と酷似せるからである。真症癩病は癩毒多有によるのであるが、之は少量保有者で局部的なる為看過せられるという訳で、此例として彼の霜焼も私はそれであると惟ふのである』
(天国の福音「頭脳の重要性」より)

これら三種の症状に対する浄霊のあり方についてはどうでしょうか。

『右何れの症状も手首、手指等に対しては頭脳を主とし、淋巴腺部を次とし、腕、患部といふ順序に行ひ、脚、足首、指等は鼠蹊部のグリグリ、腹部下端、腰骨部といふ順序でよいが、必ず其部には発熱と痛みがあり明瞭に判るのである』

こうした疥癬、白膿色粒の浄化に対しては相当日数がかかるのを知っておかなければなりません。発熱が漸次解消するにしたがって快方に向かいますが、早くても一か月、遅いのは半年以上一か年に及ぶものもあります。

『茲で今一つの重要事がある。それは彼の肺結核患者が例外なく頭脳の浄化が伴ふ事である。(中略)即ち結核患者の頭脳は例外なく相当の発熱を見る。之に向って浄霊を行ふや、忽ち咳嗽と共に吐痰をする。此場合頭脳内の溶解毒素は間髪を容れず肺臓内に流下し、喀痰となって排泄さるるのであるから、宛かも肺自体の患部より出づるとみるは無理はないのである。然るに現実は頭脳の発熱が減少するに従ひ、正比例して結核症状も軽快に向ひ、頭脳が全く無熱になった時結核も全治するのであるから、一点疑ふ余地はないのである。勿論頭脳内毒素が減少するに伴ひ、全身的各局部の毒素も排泄さるるのである』

『次に喘息及び原因不明の熱性病等の場合も右の如く頭脳の浄化が原因である事が多く、従而凡ゆる熱性的疾患に対し、頭脳の浄霊を一応試むべきである』

(天国の福音「頭脳の重要性」より)