1)大自然の構成について

 明主様は、私達を取り巻くこの世界は、目に見える世界(物質の世界、現界)と目にみえない世界(非物質世界、霊界)とから成り立っており、すべての物は霊と体によって構成されていると説かれました。それはあらゆるものを生み育て、あらゆるものを動かす力の根源である三大元素-火素、水素、土素の発見に基づいています。


『抑々、宇宙における森羅万象一切は三大元素から成立っている。即ちあらゆるものの生成化育は、この三大元素の力によらないものはないのである。然らば、その三大元素とは何であるかというと、それは日、月、地である。即ち日は火素の根原であり、月は水素のそれであり、地は土素のそれである。そうしてこの火、水、土の力が経と緯に流動交錯密合しているのである』
                 (天国の礎「火素・水素・土素について」より)

『本来宇宙なるものは、太陽、月球、地球の三つの原素から成立っている。そうしてこの三つの原素とは火、水、土の精で、その現われが霊界、空気界、現象界の此三つの世界であって、之がよく融合調和されているのが実相である』
                        (神示の健康「一の世界」より)

『物質の元素が土で、空気の元素が水で、霊気の元素が火であって、この三元素がいずれも密合して、そこに力の発生があるのである。これを科学的にいうならば、三元素なるものが、ほとんど想像もつかない程の微粒原子として、融合活動しているのが宇宙の実体である』              (天国の礎「火素・水素・土素について」より)

『日、月、土、即ち火素、水素、土素の融合によって発生したX即ち自然力である。そうしてこの地球の中心は、人も知る如く火の塊りであって、これが地熱の発生原である。この地熱の精が地殻を透して成層圏までの空間を充填しており、この精にも霊と体の二面があって体の方は科学でいう窒素であり、霊の方は未発見である。それと共に、太陽から放射される精が火素で、これにも霊と体があり、体は光と熱であり、霊は未発見である。又月から放射される精は水素で、体は凡ゆる水であり、霊は未発見である』
                     (神示の健康「自然農法の原理」より)

 大自然は、こうした火、水、土の三元素によって構成され、その密合によって力が発生し、万物が生成化育されているのです。


『この三者の未発見である霊が抱合一体となって生まれたものがXである。これによって一切万有は生成化育されるのであって、このXこそ無にして有であり、万物の生命力の根原でもある』               (神示の健康「自然農法の原理」より)

 こうした霊の世界については未だ解明はされておりませんが、近年の科学の進歩はめざましく、はてしなく無限大に拡がる宇宙の生成と活動についての研究から物理学のように物質を構成する最小単位を突き止めようとする研究に至るまで、自然の神秘を究明しようとする人間の追求は止まることを知りません。新しい発見は常に積み重ねられていきます。今現在科学的に発見されていないからといってその実在を否定することはむしろ非科学的であり、近き将来、霊気の存在が明らかにされる日が来ないとは誰も言い得ません。


『霊または霊気という文字は今までとても相当使用されて来たが、その多くは宗教または心霊科学の面に限られていた。それが為に霊という言葉はともすれば迷信視せられ、むしろ霊を否定する事を以て、識者の資格とさえ見らるるごとき傾向があった。然るに何ぞ知らん。この霊なるものの本質こそ、驚くべき力の根源であって、森羅万象あらゆる物の生成活動変化はこれによるのであって、これを私は不可視力とも言うのである』
                          (天国の礎「自然力」より)

『この地球上における実世界は空間と物質との存在であって、物質は人間の五感によってその存在は知り得るが、空間は長い間無とされていた。然るに文化の進歩によって、空間は無ではなく空気なる半物質─私は仮に半物質という─の在る事を知ったのである。然るに、今日まで空気だけと思っていた空間に、いま一つ他の元素が存在している事を私は知ったのである。それに対して私は、「霊気」というのである』
                 (天国の礎「火素・水素・土素について」より)

 非物質であるこの霊気の存在こそが「日本医術・浄霊」の原理と重要な関わりを持っているのであり、この霊気はどこか遠いところに存在しているのではなく、目に見えないだけであって、まさに私達の身のまわりに現存しているのです。


『われわれの呼吸しているこの空間が生物の棲息に適する温度や、乾度、湿度があるという事は、火素と水素の融合調和によるからで、もし火素が無となり水素のみとなれば一瞬にして氷結すべく、反対に水素が無になって火素のみとなれば一瞬にして爆発し、一切は無となるのである。(中略)この理によって、火は経に燃え、水は緯に流動するのが本性であり、火は水によって燃え、水は火によって動くのである』
                 (天国の礎「火素・水素・土素について」より)

『今日科学によって唱えらるる酸素とは火精であり、水素とは水精であり、窒素とは土精であり、之が三位一体で、此三原素こそ一切万有の本質である。極端な暑熱も極端な寒冷も中和の気候も、生物の生存に適合しているという訳は、神秘極まる三原素の活力によるのである』             (神示の健康「内臓の三位一体と浄霊」より)

 こうした目に見えない霊気の充満した空間の中に私達は生きており、それを人間は造られた存在であるという観点から見れば、火・水・土によって構成されている大自然の中に“生かされている”ということを意味します。人間の生命というものを、真理として明確に示された明主様の自然観を通して、よくよく見つめ直さねばなりません。知識としてだけではなく、求めていけば霊気の存在を感じとり、霊肉共に健康になっていける道を示されているわけですから、実は、大変なことを明主様から教えられているのです。ともすれば私達の目は唯物的なものの考え方を通してものを見ることに慣らされています。病気になるとその病苦に苛まれ、災害に遭えば奈落の底に沈み、永遠に栄え得る道にある人間の生命でありながら、人間本来の願望として幸福になりたいという願いを持ちつつも、それとは反対の道に踏み入ることの多いことはとても残念でなりません。