夜昼転換という人類史上前例のない、大変重要な時期を迎えている現在、その真っただ中にいる私達に、可能な限りの人を救いたいという願いのもとに創成された「日本医術・浄霊」の取り次ぎを許されていることは大変意義深いことであり、そのこについては前章で学びました。
『今は如何なる時かは詳細説いたごとく、私の唱える夜昼転換期のそれであり、全世界は今正に新時代に向って一大飛躍せんとしつつあり、今人類は野蛮の衣をカナグリ捨て、高度の文化人たる域に達せんとしつつある事である。ここに初めて戦争も病気も貧乏も終焉を告げるのである。勿論浄霊の出現はそのための先駆であり、核心的のものである』
(天国の礎「霊層界」より)
本章では、その偉大な浄霊法の原理について学びたいと思います。それに先だって、そもそも明主様がどのような動機から浄霊法をあみだし、完成されるに至ったのかということから始めたいと思います。
『本療法の原理を説くに当って、先づ私が之に着眼した動機を言はう。抑々人間なるものは如何にして造られたかといふ事である。宗教によれば造物主の創作といひ、科学ではダーウィンの進化論が唱へる、アミーバが蜥蜴となり大蜥蜴となり類人猿となり、終に人間になったといふ説である。然し乍ら右の如き説の真偽は別として、茲に何人と雖も否定し得ざる事実として、人間は人間によって造られたといふ事である。即ち親が子を造り、その子が親になって又子を造るといふ、之は絶対である。勿論意識的に造るのではないからこれに気附く人は少なからう。然し乍ら此事実は何を物語るであろうか。それは人間には人間を造り得べきいとも神秘な力を有してゐる事である。此意味に於て、此神秘力は自己が造った所の人間の故障ともいふべき病気を修繕否治癒し得られない筈はない。それは機械によって作られた物は機械によって治し得ると同様の理である。然し乍ら右の理論を是として考へる時、人間に存在する神秘力を如何にして発現応用し病患を治癒せしむるかといふ事である。然るに私は右の理論を基礎として研究の結果、此偉大なる目的を達成し得たので、それが即ち本医術である』
(天国の福音「本療法の原理」より)
明主様はその徹底した研究-神霊研究-によって、この世界は人の住む現界のみではなく、目には見えないが霊界が厳然として存在していること、そして人間は永遠不滅の霊の存在を知り、神幽現の三界の実相を徹底的に解明することが人間幸福の鍵であるということを、ご自身の周辺で起こる神秘な事象を次々と体験される中、事実を通して覚られたのです。霊界の真相を深く究めるにしたがって、大自然の法則や現界と霊界の関係、生と死の問題、死後の世界、人間の本体は霊であるということ、そして人間不幸の最大原因である病気の因は霊体の曇りであるということなどが、次々と明らかにされていったのです。
『右の如き人間固有の神秘力とは何ぞやといふ事と、その神秘力が病患へ対して如何に作用し、その能力を発揮し得るかといふ説明であるが、唯物教育に忸れたる現代人には些か難解の点があるかも知れない。然し乍ら真理である以上、再三熟読玩味するに於て、豁然として必ず目覚めるであらう。そうして本医術の原理を知るには、先づ大自然の構成とその活動とを充分知悉しなければならないのである』
(天国の福音「本療法の原理」より)
明主様は、「日本医術・浄霊」の原理を理解する前提として大自然の仕組みや秩序について、深くかつ充分に知っておかなければならないということをおっしゃっているわけですが、その大自然について概略次のように説明されています。
『天地間の森羅万象凡ゆる物の生成化育、離合集散、栄枯盛衰は自然の理によるのでそれによって無限の進展を遂げつつあるのが此世界であって、その実相を観る時、不自然なるが如くにして自然であり、偶然に似て必然であり、空漠たる如くにして厳然たる法則あり、全く人間の叡智や学理によっても到底窺知し得べからざるものがある』
『そうして、大自然の動きは真理そのものである事は勿論である。そうして真理の具現者であり、宇宙の支配者である者、それを尊称して神といふのである。故に、宇宙意志といふも神の意志といふも同一である。此理によって大自然そのものが神の意志であり、大自然の実相が神意の具現であるといへよう』
『此意味に於て、人間なるものは大自然の中に呼吸し、大自然の力によって生育するのである。故に、生死と雖も大自然即ち神意のままであるべきである』
(明日の医術 第二篇「惟神医術」より)