医学の恐ろしさ

 此言葉は患者自身が言うのだから間違ひないと共に、事実もその通りであって、而も医学の野蛮極まる行り方がよく表はれてゐる。それは何も彼も手術で治そうとし、殆んど体内を切り刻むのを何共思はないので、患者は恐怖に戦き、苦痛に堪へない悲惨な状態である。成程之で治るならまだいいとしても、治る処か次々余病が発生し悪化するばかりであるに対し、之が医学の進歩と信じて公々然と行ひ、当局も奨励してゐるのであるから、全く恐ろしい世の中である。


 之に就いても言ひたい事は、現在アメリカでも手術流行し、盲腸や婦人機能切除の経験のない人はないとの事を、最近本教羅府支部員からの報告の中にあった。成程アメリカの機械文明は世界に冠たるものだが、独り医学に至っては迷路に迷ひ込み、抜き差しならぬ現状である。処がその真似をする我国の医学界に至っては、恰度落語にある釣をしてゐる馬鹿を見てゐるその馬鹿の話を思ひ出さずには居れないのである。

死の恐怖より救はれて

(本文省略)

(医学革命の書 附録(おかげ批判) 昭和二十八年)