薬という薬は悉く中毒を起すものである事は、度々説いたから分ったであろうが、一層詳しくいへば、つまり効いてゐる期間に長短の差があるだけの事で、最も短いのが近頃流行の麻薬であって、之と同じやうにどんな薬でも一時的効果で、それが癖になって病気を漸次増悪させるのである。
此患者の例がそれをよく物語ってゐる。特に喘息の注射はそれが甚だしく、遂には一日何十本も射たねば我慢出来ず、自分で射つやうになるので、此点麻薬と少しも違ひはないが、当局は麻薬のみを厳しく取締ってゐるのは、前記の如く時間が短いからである。之が分ったなら喘息やその他の注射にしても放ってはおけない筈である。
処がまだ困る事は、一般服み薬もそれと同様だが、此方は中毒が非常に緩慢で、時日も長いから発見が出来難いのである。
四十分おきに注射をしていた喘息、御浄霊で全快
(本文省略)
(医学革命の書 附録(おかげ批判) 昭和二十八年)