嗚呼医学というもの

 之はいつもいう事だが、今日どんな人間でも、現代医学は大いに進歩したと信じてをり、病気になったら最新の治療を受ければ、大抵は治るものと安心してゐる。又治療に当る医師もそう信じてゐるのであろうが、事実の殆んどは見込外れか、一時抑へにすぎないのである。何しろ病気の根本が分ってゐない以上当然であるが、医師としてもその疑問は起るであろうが、どうしやうもないまま諦めてゐるにすぎないのであろう。そんな訳で世界中の医学者が熱心に研究してゐる以上、いつかは本当に治る医療が生まれるであろうと、淡い望みに生きてゐる。之が現状であろうが、私は失望に終る事を断言してをくが、只困る事には此儘であるとしたら、今後それまでもの間二十日鼠やモルモット扱ひをされなければならない気の毒な犠牲者である。


肺結核手術寸前に救わる

(本文省略)

(医学革命の書 附録(おかげ批判) 昭和二十八年)