結論

今迄説いた処によって、読者は大体の概念は得られたであらう。之を最も大乗的にいへば、今迄の医学は人智から生まれた医学であり、本医学は神智から生まれた医学であるといったらよく判るであらう。即ち前者は病原を固める方法であり、後者は溶かす方法であり、前者は病原である毒素を出さないのを目的とし、後者は出すのを目的とする。前者は逆理であり、後者は正理であり、前者は野蛮的方法であり、後者は文明的である事は充分頷けたであらう。処が右は単なる理論であって、之に事実が伴ってこそ真理の具現である。というのは即ち医学では治らない、浄霊では治る、只それだけである。

以上の如く此厳然たる事実によってみても、現代医学は当然滅亡の運命に近寄りつつあるのは否定出来ないのである。何となれば長い間の医学の過誤が、私によって茲に明らかにされたからである。恰度暗夜に光明が輝き初めたと同様であって、此意味に於て医学の革命などといふ大事業は、私の意志から発したものではない。私は只神の命のまま病気の根本を教へ、治す事であって、之が私の使命である以上、現在全身全霊を打込んで活躍しつつあるのである。

之によって已に医学は革命される運命となってゐるのである。即ち偽は到底長く続くものではない。或時期に至れば滅亡すると共に、真は或期間は埋もれてゐても、時来れば必ず世に輝くのは不滅の真理であり、到底人力の及ぶ処ではない。此意味に於て私は医学に携はる人々も救はなければならないのは、滅ぶべき決定的運命に措かれてゐながら、それに気付かない哀れな人々をも救はなければならないからで、取敢ず此著によって先づ最初の警鐘を発するのである。

(医学革命の書 昭和二十八年)