薬毒(二)

茲で薬毒の症状に就いてかいてみるが、彼の天然痘に於ける掻痒苦であるが、之は掻痒苦中の王者である。此病気の原因は薬毒の遺伝であって、之が浄化によって皮膚から排泄されるのであるが、治ってからも醜い痘痕が残るので人は嫌うのである。処が種痘によってそれを免れるが、之で然毒が消へたのではない。只排除を止めたまでであるから、残った毒は種々の病原となる。その著しいのが彼の疥癬である。之に罹るや掻痒苦甚だしく、症状も天然痘と些かも変らない。つまり真の天然痘が急性であり、疥癬は慢性であると思へばいいのである。

又蕁麻疹であるが之も勿論薬毒であって、カルシュームの中毒が断然多く、その際考えれば直にそれと分るが、不思議にも分らないとみえて、腸が原因などという。察するに魚肉中毒の場合、蕁麻疹的症状が出るので、之と混同したのであらうからナンセンスである。そうして魚肉の方は放っておいても二、三日で治るが、カルシュームの方は数ケ月或ひは数年も掛かる人さへある。

之に就てよくカルシュームには骨の成分があるから、育つ盛りの幼児などに可いとしてゐるが実にナンセンスである。といふのはカルシュームのない時代、菜っ葉や米だけ食って漁夫や農民など、骨太で立派な体格であるのはどういう訳か訊きたいものである。


次に精神病の原因が黴毒としてサルバルサンを打つが、之は事実に於て逆作用である。私が長い経験によるとサルバルサンの為の精神病が頗る多いのに驚く。之は医学で研究すれば分る筈である。そうして精神病は医療では治らないとしてゐるが、原因は霊であるからで、体のみを攻めても何にもならないからである。

次は胃に関した病気であるが、之こそ薬の作った病気である。その中でも胃潰瘍は消化薬の為で、消化薬には必ず重曹が含まれてをり、その為胃壁が柔かくブヨブヨになる。そこへ固形物が触れるので、亀裂が出来出血するのと、今一つは粘膜の薄くなった部分から血液が滲出し、胃底に溜って一時に吐血、又は下痢によって排泄される。又人によっては血液が古くなり、黒色の小塊となって便に混り出る事もある。

処が厄介な事には医療は流動食と安静にするので、粘膜の損傷は塞り、治ったと思ひ安心してゐると、之が癌の初期となる事が多い。といふのは今迄濁血が出るべく集溜する局所が塞がった為、集溜したまま固結する。それが癌である。併し此癌は真症ではない。此見分は手術の場合血液の塊りがあるのは疑似癌で、真症癌には血液を見ないのである。


次に胃下垂であるが、之も消化薬を飲み、消化のいい物を食う為、胃の活動は鈍化し、怠け者になるので弛緩する。それが原因であるから、つまり人間の無智が作ったものである。故に香の物でお茶漬でも食えば、胃が活動しはじめるから、否でも応でも治るのは当然である。

次は胆石病であるが、之は背面腎臓外部に固結した薬毒が、浄化によって少しづつ溶け、胆嚢の裏から浸潤する。それが胆汁と結合して結石となるのである。之が輸胆管を通過する場合非常な激痛に苦しむ、それが腎臓に流下し腎臓結石となり、次で膀胱に入り膀胱結石となる。処が始末の悪いのは腎臓も膀胱も、結石が尿中にあるので、尿が附着し育ってゆく。その結果尿道の出口を石が閉塞し尿閉塞となり、腹部膨満死ぬ事さへある。此病気に就いて面白い事は、浄霊するや結石は破砕され、砂のやうになって排泄簡単に治るものである。

(医学革命の書 昭和二十八年)