脳溢血は絶対予防し得る

近時社会の名士とか有用な士で、漸く学問経験を経、真に意義ある目的と希望を実現しやふとする頃、惜しくも仆れて了ふ痛恨事である。之が原因として、最も多いのが脳溢血である。此病気は、其儘鬼籍に入るか、幸にして生命を得たとしても、例外なく中風に罹って、全治して活動し得る迄に治癒する例は殆んどないといってもいい位である。

私は、是等の事実を新聞紙で見る毎に痛惜に堪えないのである。それは、一回でも私の所へ来たならばそれを免れ得たにと、何時も思ふのである。特に将官級の軍人のそうした場合、国家の為を思ひ、痛歎久しくするのである。

然らば、脳溢血の原因は何であるかといふと、毒血が全身に充満して、或程度を越えるからである。現代人が体的には肉食と飲酒、薬剤の服用に、霊的には、罪穢の堆積であって、唯それを軽減又は解消する方法が無いが為である。実は宗教がそれを為すべきであるが、今はその力がなくなってゐる。唯然し、医薬以外の治療法で、幾分軽減する事は出来得るが、絶対予防は不可能である事である。

然るに、観音力浄化法によれば、絶対的に予防する事が可能である。否予防といふ言葉は当嵌らないかも知れない。予防ではない、其原因である毒血、其毒素分を解消して浄血して了ふから、脳溢血は起りやうがないのである。

故に、脳溢血の素質のある人、例へば、眩暈や首筋、肩の凝り、手の痙れ等が前兆であるから、そういふ徴候を感じたなら、速かに観音力治療を受ければ可いのである。百人が百人、脳溢血に罹らない迄に浄血されて了ふ事は断言し得るのである。

それのみならず、仮令、脳溢血が起る程度でなくとも、不浄血の所有者は故障が起り易いのである。風邪、頭痛、視力薄弱等に犯され易く、又、頭脳の明晰を欠き、判断力、集注力に乏しいから、すべてに失敗勝ちである。常に不快感を伴ふから、飲酒や其他で紛らはさうとする事にもなる。之を要するに、常に血液の濁らない様にするこそ、脳溢血予防と共に大いなる利益があるのである。

(昭和十一年)