西洋医学の大革命 盲腸炎は切らずに治る

西洋医学は、凡ゆる方法を竭し、解剖分析実験等に由て、全世界の専門家が知能を傾けてゐるに不拘、予期の治病能力を挙げ得られないといふ事実は何が故であらうか。

今仮りに、人体の皮下一センチメートルに膿の固結ありとする。それを針を用ひずメスも用ひずして、患者に何等苦痛なく、其膿の一滴さへ減少する事は出来ないであらう。その適例として、彼の盲腸炎に於ける虫様突起の化膿である。其膿を排除するに、どうしても手術によらなければ不可能であるといふ事によってみても瞭らかである。

然るに、我観音力治療法によれば、指頭から発する一種の霊光が其膿結に向って放射する時、其膿は漸次減少してゆくのである。そうして、それは患者の目前に於て、数分にして極めて瞭らかに膿の減少するのを患者自身が知覚出来得るのである。そうして、膿結は著しく柔軟化し、それだけ痛みも軽減されるのである。従而、時間と回数を重ぬるだけは治癒されるのであって、小なる固結は数分にして解消し、痕を留めざる事もあり、盲腸炎の如きも数十分の治療を施せば痛みは全く去り、解熱し、治癒するのである。

此事実と比較してみて、我々から言へば、西洋医学の治病力は、其効果の余りに薄弱であるのに驚かざるを得ないのである。併し、見様によっては、それが普通であって、観音力療法が余りに卓越してゐるのかも知れないのである。故に、忌憚なく言へば、西洋医学は児戯に類するとさへ思はれる事が屡々あるのである。

(昭和十一年)