政党ちうものは、ほんに可笑しなもんで御座る。政友と民政と聯繋するとかせぬとかベンベンダラダラ半年以上も同じ様な事を繰返してをってゐるので御座る。
之は五、一五などに脅かされたり松岡どんの政党解消等に尻を突つかれたりなどして、此政治非常時を何とか誤魔化さうとしてゐるのだから、その図々しさには呆れ蛙共では御座らぬか。
実はどちらも聯繋は厭なので御座るが、あんまり世間が五月蠅いので厭々やってゐるので御座るから気の無い事夥しいので御座る。
先づ今度の議会でも済して春の日永に悠々と長老とやらが腰を叩きながら其癖待合で芸者でも買ひ乍ら、相談するんで御座らうと言ふ図で御座る。
尤も斯ういふ行り方の方で政党の信用が速く失はれるから解消するのが早くなるので国家の為には結構かと思ふので御座る。
（東方の光二号 昭和十年二月五日）