爆弾を抱いている現代人

此題を見たら少し嚇かしすぎるように思うかも知れないが、実は些かも掛引のない正直な説であるから、其つもりで読まれたいのである。之は信者はよく知っているが、現代人で兎も角健康らしく働いている人間を調べてみると、例外なく身体中何処も彼処も薬毒の固まりだらけである。それが偶々或部分が溶け始めると、之が病気であるから早速医師に診て貰う。すると医師は診察をして、之は大変だ、今は大した事はないが、事によると大病の初めかも知れないといって、早速元通りに固めようとする。其固め手段が薬をはじめ種々な方法である。というようによく固まる方法が進歩した療法と思っているのだから、大変な世の中である。

此様な訳で、今日の人間は毒が溜り放題溜って、それを念入りに固めてあるのだから、固太りなどといって健康人らしく見えるのが、実は危険な訳である。以前私はよく膿の塊りが理屈をいって威張っていると笑ったものである。勿論今も其通り処か益々酷くなりつつある。何よりも今日の人間位病気に罹り易い者はないから、ヤレ衛生に注意しろ、風邪を引くな、暴飲暴食をするな、栄養食を喰え、冷えるな、疲れるな、睡眠を充分とれ、手を洗え、含嗽をしろなどといって煩い事夥しい。丸で人体を毀れ物扱いである。忌憚なくいえば一種の恐怖時代といってもよかろう。併し此儘で続いていけば結構だが、そうはゆかない事がある。それは霊界の変化である。変化とは段々毒が固まらなくなる事で、いくら最新の医療や新薬でも、溶ける力の方が強くなるので、人間はバタバタ斃れる事になるのは、火を看(ﾐ)るよりも明かである。併し之を読んでも大抵な人は、そんな馬鹿な事があって堪るものか、脅すにも程があるというかも知れないが、キリストは二千年前已に予言されている。それが即ち世の終りで前記の通りである。

併し之を信じたくない人は、信じなくともよろしいが、只最後の断末魔が来た時、“ヤッ了った、アレ程知らされていたのに俺は何たる馬鹿者であろう”といって臍を噛んでも追っつかない。故に助かりたければ今の内だ。ではどうすればいいかというと、大して難しい事はない。つまり一遍に毒が溶けるから命が危いのだから、なしくずしにすれば助かる。之が本教の浄霊法であるが、併し余りに簡単すぎるので、反って信じ難い点もあるし、それだけ価値もある。だが霊界の浄化が一日一日強くなる以上、遂には医療でも固まらなくなる。だから一刻も早く目をさまし、本教へ来る事である。以上を一言にしていえば、現代人は全く毒の爆弾を抱いているのである。

（栄光百八十四号　昭和二十七年十一月二十六日）