以上羅列しました諸権威者の発表は、何れもそれぞれ実地に試験して得た結果であるだけに、極めて確実なものといわねばなりません。しかしてこれ等権威者は悉く、化学肥料の害を認め、土壌の有する自然活力を保全する。所謂自然栽培の重要なことを証明されておるのであります。
これによってみるも、わが教祖が夙に自然栽培の必要を力説され、自然栽培こそは人間始め一般動物健康の必須条件であり、天寿を全うする基であると共に、増産最良唯一の途であるとお教え給うことは、全く神意によるものであることがわかるのであります。すなわち前記諸権威者等は、自ら栽培にたずさわり、その実験の結果を発表したのでありますが、わが教祖は何等の経験も有し給わず、また別にこれ等権威者の言をきかれたのでもなく、しかもこれ等権威者が未だ実験せず、従ってかかる意見をも発表せざる以前より、既に自然栽培の必要を力説されておられるのであります。ただ一般に向ってその真意義を御説明なされなかったのは、化学肥料を食糧増産唯一の方法だとするわが当局者が、化学肥料は作物のみならず、これを食する人間の健康に害ありと説くものありと聞かば、直ちに増産をはばむものなりと曲解し、または牽強付会して弾圧を加え、ついには教祖が一言も自然栽培を口にすることすら出来なくなる恐れがあるとの遠謀深慮からと拝察されます。しかしごく一部の人々にのみは、自然栽培の真意義をお洩らしなされていたのであります。
私には教祖の御心意がよくわかっていましたので、今日まで発表することを差しひかえていましたが、先に、『世界救世教教義解説(病貧争の巻)』を出版しましたので、次の教義解説には、順序としてどうしても「自然栽培」をとりあげねばなりませず、当惑したのであります。そこで考えた事は、欧米の文明国では早くから専ら化学肥料を用いて栽培を行っていますから、どこかで誰かが必ず化学肥料の害を自覚したものがあるにちがいない。化学肥料だけに頼ればその害の発見も早い訳だから、米国あたりではもはや化学肥料の利害について結論が出ておる筈であるということでした。その結果発見したのが前に掲げました諸権威者の実験談であります。そこでこれだけの実証がある以上、もう教祖が説き給う自然栽培の真の意義を公にしてもよかろうと決意した次第であります。
(世界救世教教義 昭和二十六年十月十日)