わが教祖が自然栽培を説かれますのは、健康と長寿を保全する面からと、今一つは増産の面からであります。そして又自然栽培によるものを食することによって争を好むが如き精神病者たらざる完全なる人体の持主を作らんとするが為であります。化学肥料栽培が増産唯一の方法であると誤信しておる者が、自然栽培こそ、ほんとうに増産唯一の良法だときかされても、容易に信用しかねるでありましょうが、しかしながら前に叙述いたしましたところを熟読玩味さるるならば、もはや疑う余地はありますまい。従ってあまり多くを述べる必要もないとは思いますが、ここに御参考までに書き添えたいことがあります。すなわちフランク・S・ブース氏が、『黄金の土』によせた序文であります。それを意訳いたしますと次の通りであります。
日本は年々三億五〇〇〇万弗に上る巨額のアメリカの経済的「つっかい棒」で支えられている。そして右の数字は、大体輸入穀物と肥料の支払代金に相当する。もし適切な指導を得れば、各分野における諸君の結集した努力は、この輸入を不必要とすることが出来る。……諸君が自然の協力者となって働き、より多く栄養物を増産して国民に提供することによって、日本人はアメリカの納税者の負担で支払われている主食を輸入せずともよいことになる。
代々保存されて来た日本の調和のとれた古い方法や、よい習慣が今むざむざこわされている。……外国から輸入された事物が必ずしもよく応用に適しているとは限らない。……諸君のための本書『黄金の土』は、そうした目的のためにかいてある。これを読めば新らしい土地の科学を知ることもでき、土の栄養分を保ち動植物の健康を保証することが、如何に大切かがよく解ると思う。
諸君は此地上で最もすなおで、自然的に奉仕してくれる味方、熱心な助力者をもっている。諸君がすくった一ぱいの土の中にだけでも、此地球上に住む全人口より多くの協力者が住んでいる。……この疲れを知らない、そして自ら進んで仕事をする働き手は、諸君が眠っている暇も休まず、しかも驚くほど能率的に働いてくれる。……このことを思えば諸君はもう一個の百姓ではない。真に無数の強い軍勢を率いる総司令官である。……之等土壌微生物は賃金を要求しない。彼等には休日もないが労働基準法などいうものをふりまわしもしない。彼等はかく口夜働き続け、しかも死ねば一段歩につき一〇乃至一五貫もの腐植土ができる。-皆ただで一文も要らない……云々。
ブース氏はかく言って、土の自然活力の神秘をたたえ、自然栽培のみがよくこの自然活力を保ちこれを助ける唯一の栽培法であることを指示し、化学肥料はかかる自然の神秘を害うことを証明しているのであります。
(世界救世教教義 昭和二十六年十月十日)