五 化学肥料の害

一九四〇年三月三〇日の『ニューヨーク・タイムス』は「マント・アルバート小学校でチャックマン博士は、化学肥料を施した土壌で作った野菜と果実を、腐植質ばかりで作ったのに変更すべきことを奨めた。その結果は驚異的であった。すなわち、カタールや風邪及びインフルエンザは激減し、一九三八年における麻疹の大流行が、子供等はただ軽い症状を呈しただけであったが、新入生はすぐ発病した」と報じておる。

またアイルランドのダブリンにおけるセント・コロンビヤ大学でも、化学肥料をつかわないで堆肥だけで農作物をつくった結果を、ダブリンの大僧正、イベック公爵、アルトン、ブライス、トップス及びマウデ諸氏の連名で、『ロンドン・タイムス』紙に公にしている、以下はその一節である。「土壌は肥沃になり、新鮮な野菜、牛乳、牛肉、羊肉、小麦等が増産されるばかりでなく、一般の健康状態がいちじるしく良好になって、伝染病にかかる事が殆んどない……」

小説家として有名なブロムフィルド氏は、インド、フランス、合衆国等で農業を営んでおる人で、氏はオハイオ州ルスカの農園で化学肥料の利害について試験した結果を発表して次の如く述べておる。 「吾々の農場では化学肥料は一切使用せず、貧弱な牛を購入し、有機農法で作った玉蜀黍や他の飼料を与え、一セントの化学肥料も補助飼料も与えないで、これを驚くように立派な肥育牛に仕上げて家畜市場で最高値で売っておる。化学肥料は一種の麻酔剤か、土壌の刺戟剤であって、人々の服薬に似ている。これ等は土壌の基礎的健康を作らない。多くの農業の権威者もこの点を多少認めている。……土壌は人間と同様に、健全な食物をとらねばならない。賢明な多くの人々は、今や強壮剤や、ビタミン剤等の薬剤から逃れて、反って新鮮な自然な食物から作った変化のある食物に頼ろうとしている。……吾々は化学肥料の合理論が、生きているエネルギーの破毀的利用であることを発見して恐怖したのである。生産は減少し、土壌はやせて来た。硫酸アンモニアは土壌を酸性にし、石灰の多量撒布は腐植質を消失させた。……私には一九世紀の六〇年代に、課税で第一等地に評価されていた土地があった。それが後には私の土地の中で一番悪い土地になっていた。すなわち祖先が毎年砂糖大根を作って窒素を施していたために、すっかり腐植質をなくして終ったのであった。多量に化学肥料を施した土壌に育つ植物は、生れながら耐病性がない。ちょうど人類で肉体的耐病性のない者は、一般人より早く病気におかされ易いのと同様である。そこで病虫害を防ぐために毒剤を撒布する必要が生じ、撒布した毒剤は土壌に吸収され、すでに汚されている土壌をさらに汚すのである。土壌中の微生物の生活は化学肥料と毒剤に狭撃されてほとんど全滅し、ミミズはうせ、バクテリヤと細菌はほとんど消失して、土壌は事実上死んでいる。農家はちょうど化学薬品をふくんだ砂で百姓をするようなものである。ペイファー博士は、彼の見たブドウ国は、頻繁な石灰ボルドー液の撒布のために、 一匹のミミズもいなくなり、 そこでは貴重な仲間を失っているとのべている」云々。

(世界救世教教義 昭和二十六年十月十日)