明日の医術

本療病術は、実に、明日の医術である。現代に於ける、西洋医術や、漢方医術と対比して其治病力の絶大さは、到底比較にはならないのである。そうして現代医学は凡ゆる病原が殆んど不明で、風邪の原因すら今以て不明であるにみても、其大成は、前途遼遠である。又治療の方面を見ても、癌腫、盲腸炎等の如き、膿の溜結が、明かに判明するに拘はらず、其膿の一滴すら、切開手術以外、除去する事が出来得ないのである。併し仮に、除去し得たとしても、再び其患部及び隣接部に、膿の集溜をさせない方法は、絶対に無いのである。

然るに、本療法は、一滴の薬剤も用ひず、何等物的器具を用ひず、唯、指頭を皮膚面に触れる丈けによって、癌腫も盲腸部の膿結も、全部溶解消失するのである。此場合、膿は解溶して、漿液に化するのであると共に、多少の残渣は、尿又は糞便に混入して排除されて了ふ、又、毒血の場合、其毒分は解消して、清浄な血液に変化するので、毒血を除去するのでないから、一滴の血も減少しないのである。又、医療によれば、順調の経過を執るとしても、盲腸炎は、一二ケ月の時日と、手術入院料等に数百金を費さざるべからず、然るに、本療法によれば、盲腸炎は三日以内に全治し、費用も、数円を以て足りるのである。癌腫に至っては、医学上全治は殆んど不可能とされてゐるに拘はらず、我療法に依れば、瀕死の衰弱者でない限り必ず全治するのである、何となれば余りに衰弱して居れば、癌腫溶解まで、生命が保てないからである。又、子宮癌は、二三回乃至五六回を以て全治し、胃癌は、一ケ月以内にて全治するのである。其他、肺炎は、一週間以内、赤痢、疫痢等も、五六日にて全治すべく其他、凡ゆる病気は、右に準ずるとみて、想像され度いのである。

如何なる難症的病気にても、罹病後、直に来る者は、大抵数回にて、全治するのであるから実に、百パーセントの治病成績と言っても、決して過言ではないのである。若し我療法によるも、時日を相当要するのは、何れも、誤れる医療等によって、拗れたるが故である。

斯の如く、偉大なる本療法の発生は、個人の幸福は固より、国家進運の上から見ても、量り知れない利益であるは勿論、人類の理想である、病無き世界は、茲に可能となったのである。之が普く、全般に、知識さるゝに及んで、現代医学は、大革命を起さない訳にはゆくまい、そうして、それが、一日早ければ一日だけ速く、全人類は、救はれるのである。

最後に、附加え度い事は、此療法は、習得すれば、何人にも、出来得るといふ事である。それは、一週間の実地講習と、凡そ半ケ年位の、実地経験に依って、博士の持て余した病人が、治療される実績は、幾多の人々が、日々経験し、其奇蹟に驚歎、感謝して居るのである。

(明日の医術 昭和十一年五月十五日)